講談社文庫<br> 西南シルクロードは密林に消える

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講談社文庫
西南シルクロードは密林に消える

  • 著者名:高野秀行【著】
  • 価格 ¥1,001(本体¥910)
  • 講談社(2016/10発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062765015

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内容説明

中国四川省の成都を出発し、ビルマ北部を通って、最後にはインドへ――幻の西南シルクロードに挑む著者の前には、圧倒的なジャングルと反政府少数民族ゲリラの支配する世界屈指の秘境がたちふさがっていた。混迷と困難を極める旅なのに、これほど笑えるのはなぜか。究極のエンタメ・ノンフィクションついに登場。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

475
成都から昆明、瑞麗を経て、ミャンマーのジャングルの中を縦断し、インドのナガランド州からカルカッタへと、西南シルクロードをたどる4か月におよぶ苦難の旅。そもそも西南シルクロードはほんとうに実在したのか。本書を読むとどうやらそれも限りなくあやふやだ。ご本人もエピローグで語るように「学術的な成果はゼロ」なのだろう。それでも、この地を踏破し、カチン、ナガの実相を確かに見たことの価値は大きい。およそ他の誰にも真似のできないことだろう。まさに波乱万丈の旅であり、カルカッタまでたどり着けたこと自体がほとんど奇跡的。2020/07/04

読特

104
芒市のホテルでの盗難、盈江での警察署への連行。波乱万丈の出発。ジャングルを行く。眠ると落ちるゾウの上、崩れて落ちる竹の橋、くっついて離れぬヒルの襲来、眠りを覚ます胃痙攣。矢継ぎ早に訪れる危機に、”ハラハラ”も”ドキドキ”も感じない。助かるのはわかっている。”面白く”、”おかしく”は楽しめる。二進も三進も行かない禍は、期が熟したら何故か向こうから消えてくれる。だが、これは創作ではなく紛れもない事実。インドへの不正入国をお咎めなしで帰れたのは運以外の何物でもない。読者がこうして作品を味わえることは奇跡である。2023/12/30

Kajitt22

94
20年前、中国成都から国境を越えミャンマー北部横断の冒険紀行ドキュメンタリー。分厚い本ながら、特にカチン、ナガの道無き道の踏破は読み応えがあった。地勢や気候の描写も臨場感があるが、多民族国家ミャンマーの人々とのやりとりがいとおかしい。近年のロヒンギャ問題に対する、アウンサンスーチーさんのにえきらない態度もこれを読んで理解できた気もする。ミャンマーに幸多かれと思う。2020/10/13

HoneyBear

90
軽いノリではじまるけれどすごく濃い探検記だった。Google Earthや映像などでバーチャルに訪ねることが出来ない地域を紹介してくれたことに素直に感謝。命がけの場面も多かったのだろう。現地の人々が語る言葉に時々はっとさせられた。例えばナガ・ゲリラの独裁者候補クガル。「**人は死は怖れないが貧は怖れる」という成句に対して「貧を怖れるということは金になれば何でもやるということだろう。そこにはモラルは生まれない。そして、モラルを持たない人間は集団として決して成功しない。」と。この卓見はどこから来たのだろう。2015/10/20

キムチ27

80
何冊目だろう、彼の探訪記・・外れ無い。語りの面白さは言うまでもなく、体感・驚愕・好奇心・端倪・・諸々の心の波動を文に表す姿勢は構えが無いせいか、読み手の心奥にすとんと治まる。てなわけで、こちとら手を抜けず腰を据え 読んだ。砂漠を繋ぐ「かの」シルクロードとは異なり、こちらは「人の心を繋ぐ」ロードと言い切る。実体験に基づくものだけにリアル。カチン族との時間に最も時間を割いており、蛭・象に揺られた時間・マクロン療法・水を浴びる事の怖さなど座して読むこちらはゾクゾク。「道ではない」西南シルクロード⇒アニメのセル画2021/08/24

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