内容説明
バックパッカーの聖地・カオサン通りにある「ミカドホテル」。
日本社会をドロップアウトした「沈没組」が集うこの最底辺ホテルで、殺人事件が勃発。
宿泊者の一橋は犯人捜しを始めるが、三度の食事はすべてドラッグという斎藤、スナイパー気取りのゴルゴ、ゲテモノ食いのチワワら、他の「沈没組」が全員怪しく思えてきて――。
暗黒系群像ミステリ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hnzwd
39
初七尾与史。肩に力を入れずに読めるのは好印象。タイに長期滞在するバックパッカーを主人公に、連続殺人の謎を解決する訳ですが、、バックパッカーの表現が非常にリアルな感じ。アリとキリギリスで言えば、キリギリス。と、自覚していながらキリギリス生活から抜け出せない人々の表現が見事です。伏線を回収しきったのは、よくがんばりました、くらいな印象ですが、、真相看破はそんなに難しくないですかね。初七尾さんとしては、なかなかの満足度でした。2016/11/25
coco夏ko10角
27
沈没ってそっちか。七尾さんがタイの話を・・・と失踪トロピカル思い出したけど、読み進めて安心したよ。2017/10/30
じゅむろりん
24
七尾作品はアクの強いキャラが暴走しまくる印象が強いのですが,本作はややおとなしめで,更に言うならあんまり印象に残らないともいえます。混沌のカオサン通りで「沈没組バックパッカー」が巻き込まれる殺人事件。設定は面白いのですが,日本に置き換えても成り立つような感じなので,もっと現地ならではの趣向が欲しかったです。ただ,とても読みやすいので,七尾作品の入門編といったところでしょうか。2019/07/25
み
22
う~ん、何ででしょ、ちと楽しめず(>_<)あまりに身勝手な理由にも…。タイ料理食べた~い。2017/05/03
Junichi Yamaguchi
22
『一度キリギリスになるとアリには戻れない』… 少し憧れをもったこともあるバックパッカーもの。 微笑みの国の裏側を覗き込んだ気がして、ゾクッとした。。2016/11/10