陸奥宗光とその時代

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陸奥宗光とその時代

  • 著者名:岡崎久彦
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • PHP研究所(2016/10発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569579207

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内容説明

著者には、すでに『陸奥宗光(上下)』(PHP文庫)という著作がある。これは、陸奥宗光の一生を描いた長編評伝である。その著者が、なぜ再び陸奥宗光を素材に、『陸奥宗光とその時代』と銘打ち本書を著したのか。その意図は、まさに「その時代」の4文字を付したところにある。つまり、英国との条約改正を成功させ、三国干渉を素早く収拾した陸奥宗光という、明治日本の生存と尊厳を守り抜いた外交官の波乱の生涯をとおして、日本における近代とは如何なる意味を持っているのかについて、客観的な論考を試みようとした点である。この試みにこそ、元駐タイ大使であり、外交史の研究家としての、なみなみならぬ意欲がうかがわれるのである。本書は、小村寿太郎、幣原喜重郎、重光・東郷、吉田茂と続く、「外交官とその時代」シリーズ全5部作の第一弾である。外交史、近現代史の研究者はもちろん、明治以降の日本の歩みを考えるうえで恰好の読み物である。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

横浜中華街2024

8
「その時代」5巻シリーズの第1巻。日清戦争時に外務大臣であった陸奥は伊藤と共に実質的に戦争指揮して勝利に導いた。著者は陸奥が帝国主義者であったことを議論するのを避け、その外交手段を首尾一貫してかなり高く評価している。また戦後デモクラシーはアメリカからもたらされたものではなく自由民権運動の自由党―政友会―大正デモクラシーなどの回帰であるとの主張。著者はアングロサクソン信奉者であり少し偏った考えたを持っているが、明治維新後から日本が帝国主義国家へと変貌していく日清戦争までの通史を学ぶには適した書かもしれない。2020/01/19

日の光と暁の藍

6
陸奥宗光の傑作評伝。不平等条約の改正、日清戦争とその講和までの期間における伊藤博文と陸奥宗光の外交政策における意思決定のコンビネーション。日本の憲政史上で真に理想な選挙は第一回総選挙だけだったと述べる『憲政回顧録』(岡崎邦輔著)の存在。中でも一番注目したのは、薩長史観に埋もれてしまった紀州の歴史である。陸奥は紀州藩において全国に先駆けて近代国家の雛型を作ろうとした。四民平等、士族制度の廃止、徴兵制。これらを実行した津田出らの存在。紀州藩の改革が、明治維新の流れに決定的な影響を与えたと、著者は述べている。2018/06/23

バルジ

2
陸奥宗光が生きた時代を活写する歴史評論。 「ホイッグ史観」が過ぎると感ずる部分が多々あるも、 激動の幕末明治を駆け抜けた一人の大政治家・外政家の歩みを知れる。 歴史家にはその慣習上書けないような切れ味抜群の筆致と熱量は読む者を飽きさせない。著者岡崎久彦にとって陸奥の生きた時代は祖父を通じて身近であり、1990年代生まれの評者とその歴史感覚は全く異なっている。そういった歴史感覚の差も楽しむことが出来る一冊である。2019/03/27

junkoda

2
戦前昭和の本を色々読んでいて、松岡洋右がわけわからなくて疲れたので陸奥宗光まで遡って来た。この本とは直接関係ないけど今頃ようやく気づいたことがある。日本人の大多数は尊王攘夷の幕末のから今に到るまでずっと対外強硬派なんだ。戦前昭和に不況やら満州事変やらで急に変わってわけでもなく、今でも強硬な政治家を支持する。2018/02/06

Maeda Reiji

1
龍馬→伊達陽之助→原敬の薩長とは別の軸を解説した名著。小生の「北日本州」思考と共通する部分も。2013/11/11

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