内容説明
祝・直木賞受賞! これぞ荻原浩の真骨頂! 受賞第一作となる最新長編小説。
富士山麓の苺農家を舞台に、新たな人生を模索する家族の物語。
突然、父親が倒れ帰省した望月恵介が手渡されたのは『農業相続人の手引き』と『いちご白書』(苺栽培の教本)。音信不通の間に、野菜農家である父親は多額の設備投資をし、苺栽培を始めていたのだ!
後を継ぐことを迫る母親。しかし、恵介は東京の生活、グラフィックデザイナーとしての夢を捨てられない。何より農業なんてかっこ悪い。
37歳。人生の岐路に立たされた恵介は、試しに父親のハウスに生った苺を囓る。 「あ。何これ。うまい。」
採れたての苺はいままで食べた苺のなかで一番甘くて、おいしかった。
父親の苺に心を動かされ、恵介はしばらく実家を手伝うことを決意する。
ところが、今度は東京にいる妻・美月との間にスキマができ始め......
甘い苺づくりに夢をかける望月農園の甘くな~いお仕事小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
405
荻原浩は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。直木賞受賞第1作ということで、期待して読みました。著者らしいハートフルなストーリーではありますが、ストロベリーライフとして糖度と感動が不足している感じがします。完熟する前に収穫してしまったのでしょうか?苺栽培の知識は、身に付きました(笑)2016/10/08
ウッディ
301
父が倒れ、実家の農業を手伝うことになった主人公。慣れない仕事に戸惑いながらも、イチゴ作りにのめり込んでいく。かつては農業を嫌い、グラフィックデザイナーになった主人公であったが・・。どんな仕事でも、一生懸命な姿はカッコいい!2017/06/30
まちゃ
288
東京でフリーのグラフィックデザイナーとして働いている恵介。静岡でイチゴ農家を営む父親が倒れたことを切っ掛けに、妻子を東京に残し、実家のイチゴの収穫を手伝うことに。家族の絆と日本の農業再生の物語。テーマ自体に新鮮味は感じませんでしたが、読み易くて楽しめる作品でした。2017/01/01
きさらぎ
262
本当に大切なものに気付くには一度距離をおくことが必要だ。「東京へ行きさえすれば何もかも変わる、何かになれる、なんて思ったら大間違い。自分で変わろうとしなくちゃ、どこへ行ったって同じ」機会が増えてもそれを活かせなければ場所を変わる意味がない。農業を営む両親の気まぐれのような方向転換や事業拡大が一人息子である自分のちょっとした言動にあったことに気付きそれを受け入れるにはある程度の年月と自身が親になるという過程が必要であったのかも。ポリシーなんてほぼほぼでいい、誰と一緒にいたいかを見極めるほうがずっと大切。2017/02/19
ナイスネイチャ
249
図書館本。農家を継がないと東京でデザイナー会社に勤め、独立したが上手く立ち行かなくなった時に父親が倒れ臨時の農業手伝いをし農業の厳しさと喜びを徐々に味わう物語。苺農家というピンポイントも珍しい設定。農業が衰退する現状や近代技術を取り入れる苦悩など勉強になりました。2016/12/04
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