内容説明
日本地図を鑑賞しよう。「ムカツク」地名や人名にしか読めない地名、不思議な飛び地や奇妙な県境など楽しい発見の宝庫だ。その由来を探れば、地形や歴史、あるいは地図制作者の意図が見えてくる。地図の見方や古地図の味わいなど、マニアならではの目のつけどころを、初心者にもわかりやすく紹介する。「机上旅行」を楽しむ地図鑑賞入門。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さきん
27
地名から元の姿を想像するのは楽しい、区制になると元の町名、地名がわからなくなることが多いが、本書を読むと以外に単語の端々を残しておくことも多いことも知った。東日本の地名はアイヌ系言語と、上代東日本語が根強く残っている。電車や飛行場が廃止になったあと、住宅街に変化すると名残も残らないが、地図を見ると何となく残っていて面白い。2021/07/22
ふろんた2.0
25
一人でウィキペディア作れちゃうんじゃないかという情報量。東京23区の等高線を全てなぞってみたとかさすがである。使えそうなネタは通勤で使用している小田急小田原線が東京と神奈川だけとはいえ、県境を7回も越えるということ。うち6箇所は通勤区間で起きているので、私は毎日県境を6回も越えて通勤しているのだ。2018/01/28
タカボー
8
真の地図オタクってこういう人のこと言うんだな。レベルが違う。古い地図と比較することで、治水の苦労とか産業の盛衰とかそこに住む人々の心が見えてくるし、横川の峠の釜飯がなぜ名物になったのかとか歴史背景も興味深い。他にも珍名、改名、飛地とか情報量がもの凄いし、自分で地図書いたりどんだけ労力使ってるんだよ、この人。これで780円は安過ぎる。自分の好きな世界の面白さをみんなにも知って欲しいと惜しげもなく愛を注いだ名著。拍手。2025/05/11
Sherlock Holmis
4
戦前の地図が多数収録されているところが良い。今はさびれた地方都市がかつて繁栄を極めていたことを知ったとき、街の見慣れた構築物が100年もの昔から世の流れを見守っていたと知ったとき、なんともいえない感情がこみ上げる。地形図に人は描かれていない。等高線と記号と境界線があるのみだ。しかし、直接的には見えない存在であるからこそ、かえってそこに確かにあった暮らしへの想像力が掻き立てられるのだろう。2017/08/05
you
2
読み方によっては事実の羅列のようだが、何故か飽きずに面白く読める。オタク度が凄い。人柄の良さもじんわりと伝わってくる。2020/03/16