内容説明
昔日の面影を失いつつある東京の新スポットを絵筆片手に珍行脚―。あるときは服装チェックで入場拒否するヤングスポットに悲憤慷慨し、またあるときは勇んで乗り込んだ浅草のストリップ劇場で昏倒したり。個性的な同行編集者に乗せられ、いざ出発したはいいけれど、古き良き街並みが破壊され変貌を続ける新東京に、思わず怒りがふつふつ煮えたぎる。怒りと憂いと爆笑の漫遊記。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぺぱごじら
25
何となく、この方の語り口が聴きたい(読みたい)時がある。自分自身がこうした『御隠居』になりたいなと感じていたりすることもあるけど、この御隠居はサラリーマンとして相応の苦労もされているという『同族感』のようなものを自分が勝手に感じているからかもしれない。話の中身は、平成初期の東京をスケッチしながら楽しむという『近場泊まりの紀行』。いつか老境に至ったとき、このじいさんみたいなワガママなお遊びが出来ると気分よかろうなぁ。もっともいくら美形でも『寝台の舟(吉行淳之介)』は書きたくないが(笑)。2013-12013/01/05
Ayumi Shimojoh
2
ブックオフで発見。ごみ東京で、先人から何か絵になるヒントあったらいいな。S63刊行の本。まだ、面白いらしい。バブル混乱期。「なんだか幼児が砂場で遊んでいるよう。ここにトンネルを掘ろう、橋をかけよう、水溜まりを埋めて、公園と30階建てのビル作ろう。町ではない、めちゃくちゃなんである。」旨いね。ホテルに泊まって描くから食べたり泊まったり、描いたりで、街を体験する。新宿御苑、原宿表参道、並木道、アークヒルズ。だいぶ無くなっているものが多かろうな。2025/06/28
さっと
2
東京をめぐるだけでも、相変わらずの珍道中。山口瞳のはなんたって、編集者とのやりとりと文章がいいんだ。2009/07/20
むちれお
1
新東京とあるけど、昭和63年に出た本なので、今はだいぶ変わってるんだろうな。山口さんの描いた味のある絵がたくさん載っているけど、文章は愚痴が多くて面白いね。2022/08/15
ナウラガー_2012
1
支援のために設立された団体で、同潤会アパートは耐久性を高めるべく鉄筋コンクリート構造で建設され、 当時としては先進的な設計や装備がなされていた2015/08/16