集英社文芸単行本<br> 失踪.com 東京ロンダリング

個数:1
紙書籍版価格
¥1,870
  • 電子書籍
  • Reader

集英社文芸単行本
失踪.com 東京ロンダリング

  • 著者名:原田ひ香【著】
  • 価格 ¥1,683(本体¥1,530)
  • 集英社(2016/10発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087754315

ファイル: /

内容説明

「またロンダリングをやってくれないか」。事故物件をロンダリングする人達、それに関わる者が次々と相場不動産を去っていく背景に、妨害工作の動きを察知した調査役の仙道は、ある事実を突き止める。市井の不動産屋のために巨大勢力と戦おうと立ち上がった仙道だが――。前作『東京ロンダリング』で注目を浴びた作者が、5年の時を経て新たに大都市・東京の鬼門を突く! 「事故物件を単なる恐ろしいものとしてではなく、現実的な事情も含めて丁寧に描いている」(大島てる・事故物件公示サイト運営)【目次】うちの部屋で人が死んだら/君に栄光を捧げよう/幽霊なんているわけない/女が生活保護を受ける時/地方出身単身女子の人生/失踪、どっと混む/昔の仕事/大東京ロンダリング/あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

224
まさかの「ロンダリング(浄化)」続編が読めるとは思いませんでした。確か「原田ひ香」さんを読むようになったのは本シリーズを手に取り、不思議な作風にすっかり魅了され、読み始めた作家さんです。原田といえば「マハ」さんだけじゃない魅力が十分に備わった作家さんだと思います。前作から5年の時を経て書かれており、作中でも4年の時が流れています。正直、前作の人物相関をほぼ忘れていますが、それほど違和感なく読み進めていけました。中途半端は感じは否めませんが、その中途半端さ具合がある意味、本作の醍醐味なのかもしれませんね。2016/09/25

ノンケ女医長

191
美味しそうな料理、暖かな食卓を描く作風よりも、私はこっち系の「極めつけな陰」な作風にとても魅了される。一人で過ごしていた生活環境が、いろんな理由で急変し、周囲から忌避される部屋になった。新たな人が、そこで安心して過ごせるようにと生まれたロンダリング。志願する人も、斡旋する人も、陰を背負いながら一生懸命に生きる姿が、私はとても好き。その静かな熱意を描いた作者も、やはり大好き。2024/11/15

きさらぎ

127
事故物件に1ヶ月だけ住み部屋をロンダリングする。家賃はタダ、普通に生活するだけで5千円の日当まで払ってもらえるおいしい仕事。高齢化が進み他人とのつながりが希薄になっているこの時代、こういう事態は確実に増えていくのだろう。いい仕事とは思うけどできる仕事ではない。この小説に出てくる人物は皆淡々としている。「(関係を聞かれるたびに)自分の中から何かがぽろぽろ落ちていく気がした」と感じるような繊細さと「失踪したくても逃げるべき母体がない」精神的に他とつながりを持たないような人たち。そこに救われている気がする。2017/03/22

ユカリ

125
事故物件に住み部屋の経歴を浄化する、それがロンダリング。やむにやまれぬ事情でそれを請け負う人、一方失踪する人、それを探す仕事、ロンダリングを斡旋する仕事…。相場不動産を中心にロンダリングによってやんわり繋がる人々の連作集。それぞれ独立した話が裏に蜘蛛の巣が張られるように不動産業界に闇の圧力が!荒唐無稽な部分もあるけど、個人が失踪、ロンダリングに関わり自分を見つめる様子が良かった。1話2話で「終わりかいっ!」と消化不良が、後半ちゃんと進んで行くのを読み安心した。悩みさすらうまあちゃんにエールを送る。2019/01/28

hiace9000

118
前作を読み、すかさず予約入手した"ロンダリングする人達"シリーズ。前作の登場人物や相場不動産の周辺をさらに深堀りし、新たなストーリーも盛り込み、点在し散りばめた各章がやがて集約しつつパッチワークのように繋がる「技あり構成」が抜群に楽しませる。東京という大都会が生み出す様々な事情、そこに絡む人々、自分の意志なのか、他人によるコントロールなのか―。大都会の中で主体的に生きようとする人々が直面する様々な群像を丁寧に掬い取り上げた今作もまた、実に読ませる作品である。今ならば?映像化もできそうな気もするのが…。2025/06/22

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11111217
  • ご注意事項

最近チェックした商品