内容説明
ツルツル,ザラザラといった触感.すぐ判別できる一方,同じものなのに環境の変化によって,まったく違う感触を得ることがある.著者らは人工的に触感を再生,または自然にはない触感をつくる装置を開発.さらに工学や医療への応用だけでなく,この技術をデザインと融合させることで新しいアートの世界が広がっている.
目次
目 次
1 触れる、感じる
2 触感を知る
3 触感を測る
4 触感を操る
5 触感を創る
6 《テクタイル》の未来
あとがき
参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
calaf
6
目が見えない、耳が聞こえないあたりは、まだ想像ができるけど、感覚がなくなるというのは、その苦しさがあまり理解できない...でもそれは、ある意味では視覚や聴覚を奪われる以上に厳しい状況のようです...2012/02/02
ダンスにホン!ころりん
2
20111206第1刷発行20121002読 触覚なくして生きてはいけない 触覚なくして文化は生まれない(帯の言葉) 五感のなかで何を失うことが恐ろしいのか、ヘレンケラーがはじめて水に触れたときの感動のシーンに「触覚」の重要性を改めて感じた。何らかの事故で足や指を失ったあと、ないはずの指が痛む話は聞いたことがあるけれど、この逆を考えたら絶句した。触覚、自己と外部を隔て皮膚を通じて知りうる情報量の多さ、それらの微妙な違いを感じ分けるセンサーとしての機能、神がつくりたもうた身体に改めて感謝します2012/10/02
Aoki
2
実に面白いテクタイルという試み。ただの先端技術というだけではなく、インタラクティブ・デバイスなどの工業製品から、デザインやアートまでとしての広がりを持つところが興味深い。触覚だけではなく、モノを五感で感知した総合的な認識としての「触感」を分解・計測・分析し、それを様々な形で再現し、さらには拡張し、他者と共有する。その上、本来は触れないものの「触感」を創造するという挑戦も!光の彩度を振動にし、水と油の境界を指でなぞり、「触音」し、心的イメージや身体知の伝達すら構想しているなんて。未来はここにある。2012/02/24
takao
1
ふむ2017/06/03
aof
1
触覚は身体感覚そのもの。最近、からだについて学びたいと思っているので、なんかすごく納得。実存への信頼のベースとなるのが触覚。そして、さわることはそれのみで完結するのではなく、記憶や他の感覚と混じり合った文脈の中でイメージされる。そして、自分の中にもまだ使ったことのない触覚がたくさんある。なんかワクワクする夢のある話だなー。2014/06/07