株式会社の終焉

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株式会社の終焉

  • ISBN:9784799319642

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内容説明

証券チーフエコノミスト時代に上梓した処女作『100年デフレ―21世紀はバブル多発型物価下落の時代』(日本経済新聞社、2003年)に始まって、『人はグローバル経済の本質をなぜ見誤るのか』(日本経済新聞出版社、2007年)、『終わりなき危機 君はグローバリゼーションの真実を見たか』(同、2011年)、そしてベストセラー『資本主義の終焉と歴史の危機』(集英社新書、2013年)と、一貫して、資本主義の限界と、にもかかわらず続く「成長信仰宗教」批判してきた著者の最新作。まさにその系譜を継ぐ渾身の書き下ろしです。
 「長い16世紀」の後の近代資本主義とそれを担う近代株式会社の誕生から現代まで、その歴史を紐解きつつ、必然としての現在の資本主義の終焉と、それに伴い、株式会社、厳密にいえば、現金配当をしている株式会社に、残されている時間はあまりないことを、頻発する企業の不祥事や格差の拡大、国家債務の拡大、人口減少等の各国に共通する課題にも触れつつ、丁寧に述べていく。
 では、どうするのか? 本書の新しさは、その一つの方向性を示していることにもある。まさに、著者新境地の力作である。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えちぜんや よーた

83
「企業の内部留保を国庫に変換させる」。はぁ?と思った。そんなことをしたら「私有財産の権利」を侵害するんじゃね?と突っ込んでしまった。「投資家が短期志向で強欲」という感じで捉えられてるが、それは仕方のないこと。巨額の資金を運用している機関投資家のクライアントは(直接ではないが)年金受給者である。億万長者のワガママが問題ではなく、生産労働人口の定義を見誤った福祉国家の失策が問題だと思う。「ゼロ成長を受け入れよ」と提言しているがそんなことをしてもっとも困るのは団塊の世代の人たちだと思うのだが…。2017/05/28

kaizen@名古屋de朝活読書会

71
講演会で聴衆から資本主義という抽象的な概念ではなく人間ではないのかと発言があった。資本主義、株式会社という制度の一面的な定式化に対する批判なのかもしれない。零金利時代を予想してきた理論家としては、次の時代を予想しないと読者は去っていく。個々の企業に対する分析は大衆媒体の域を出ていないのか、大衆媒体に対する意見を言うことで、注目を集めているのかもしれない。Microsoft, Apple, Googleは、資本主義、株式会社という枠ではなく、旧来の制度に対する技術解で未来を提案している。著者は何と呼ぶのか。2016/11/21

さきん

26
株式会社(システム)の終焉というか停滞といった感。というのも技術革新がおきるタイミングは常にわからず、語りえぬことだから。今のところ、技術革新のペースがどんどん落ち込んで、本書ではもうなくなるのではないかと予測している。株式会社タイプの会社は減ると思うが0には絶対ならないと思う。2020/12/19

kakoboo

19
水野さんの理論を新書で展開するには無理があるのでは?と感じた1冊でした。資本主義は今後終焉に向かっていくであろう。それは歴史的変遷から見た低金利の時代の向かう先を見ればわかる、という独自のアプローチは面白いと思います。しかし、本書では全くもって展開がされておらず、議論の飛躍やいきなりな出典が多いので極めて読みにくい。(exハリス〜のくだり)。その割に誤字も散見されたり、企業名を中途半端な略称で書いたりと、著者の論理もさることながら編集の質に疑問を感じずにはいられません。学術的に書くならちゃんと書いて下さい2017/05/21

HMax

18
「ゆっくり生きよう。もう成長する必要はない。中世の王侯貴族よりも便利な生活が満喫できるんだから。」とうことを、最新の経済指標や理論を用いて簡単に説明。潜在成長率を決める「技術進歩・資本量・労働量」、資本量は世界一、子供を作るのはコスト高、技術進歩は投資回収率の悪化、そうなると、潜在成長率がゼロであることを前提に21世紀のシステムを構築しなければならない。グローバルとはいうものの、既に世界は閉じている。でも来期の計画を減益計画で提出すると、リストラ対象でしょうけど。2017/07/09

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