文春文庫<br> 父・金正日と私 金正男独占告白

個数:1
紙書籍版価格
¥770
  • 電子書籍
  • Reader

文春文庫
父・金正日と私 金正男独占告白

  • 著者名:五味洋治
  • 価格 ¥764(本体¥695)
  • 文藝春秋(2016/10発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167907198

ファイル: /

内容説明

故・金正日(キムジョンイル)総書記の正男(キムジョムナム)の肉声を世界で初めてスクープした新聞記者による衝撃の記録!

2001年に初めてその存在が報じられて以来、たびたびあらわれては、その言動やファッションがディープなインパクトを残してきた金正男。”自由人”として面白ライフを満喫する北朝鮮のプリンスに隠れファンが急増した。しかしここ数年は姿を現さず、異母弟の正恩(ジョンウン)が後継者となってからは動静がめったに表には出てこない。

2004年9月25日、北京国際空港の1階ロビーで日朝協議に出席する北朝鮮代表の到着を待っていた著者は、金正男と思われる男性と遭遇し、声をかけます。後日、正男は著者をはじめ、そのとき渡された記者へメールを送信。このときから著者と正男の、あわせて150通にもおよぶメールの交換が始まった。その内容や、2回の面会など、正男の肉声が克明に記される。

「三代世襲には反対」「父上には国家元首という点を離れて、厳しいながらも情が多かった記憶しかありません」「異腹の弟正恩の成長過程は知りません」などと率直に語る正男。ホテルのエレベーターでは日本語で「お先にどうぞ」と先を譲るなど、本書を読めば知的で冷静、ユーモアのセンスにあふれた彼の実像をあまさず伝えるのみならず、正男を温存する中国の意図を著者は鋭く洞察する。

日朝関係を考える上で外すことのできない一冊。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

澤水月

37
正恩と面識なし!聡明開化気質が危険と父に疎まれ腹違い三男が継ぎ外国に拠点、外地で暗殺…改めてここは実質王朝なのだと実感。ネズミー国騒動以来「暗愚だから後継できず」と勝手に思っていたが真逆で自分の無知に恥じ入る。多国籍語をこなし自国の矛盾つき改革路線を父に進言、三世代世襲を反対表明し運命変わる。毎日日本の震災と原発事故を案じ余震震度まで詳しい…避難者いじめする日本人に爪垢、この5年後の運命を予感するような言葉の数々が辛く刊行した著者の気持ちも察するに痛ましいばかり。美点ばかりでなく刺青や女性の件も明け透け…2017/03/15

きょちょ

30
金正男はかなりリベラルな考え方をしていたようで、父正日に中国の改革・開放路線を真似るよう直言したようだ。これが正日に警戒された。このリベラルな考えは、留学によるものらしく、他の子供たちは留学期間を短くされた。そして正男のいろいろな発言は、正恩にも警戒された。正男は三代世襲に反対し、自分も当然後を継ぐ意思はなかった。それは思想的にもだろうが、一番は保身や自己の利益しか考えてない高官とともに国を運営する気が無かったからだ。正男と正恩は一面識もないそうだ。暗殺されたのは御気の毒としか言いようがない。 ★★★2017/05/09

C-biscuit

13
図書館の新刊コーナーで借りる。実際は、文庫化されたので、内容は数年前のものになるが、文庫のためのまえがきで最近の出来事が補強されている。内容は、著者が金正男氏に名刺を渡し、メール交換が始まったあたりからインタビューをしたところが綴られている。基本的にはメールのやり取りが事細かにそのままの様子で載せられているため、金正男氏の人柄などを知ることができる。ここ数年は北朝鮮がその通りの動きになっており、発言の信憑性なども高いと感じる。記者らしい質問をうまくかわしていく金正男氏のやり取りが印象に残る本である。2016/11/21

anken99

8
金正男との150通にも及ぶメール交換、そして二度の単独インタビューが収載された話題作。ようやく読んだ次第だが、正男氏の不審死が、かえすがえすも残念。リベラルな思想とユニークな人柄は、北を変えるに唯一無二の存在だったとあらためて痛感。もう少し早く読んでおくべきだった。2018/11/15

makimakimasa

7
正男ファンとして必読の書だが(というか書籍という体裁では唯一の情報源)、出版時のセンセーショナルな売り方や装丁にやや不誠実な趣向を感じてしまい、読むタイミングを失ったままだった。今回の事件を機に図書館で借りたのは、4ヶ月前に出たばかりの文庫本。内容は正男氏の人となりを伺える貴重な資料ではある。北朝鮮要人としての生活や、ロイヤルファミリーの内実が垣間見える。単行本を出した時の経緯から、著者はその後、正男氏から連絡を拒否されていた。ジャーナリストの功名心を否定はしないが、本書が正男暗殺に繋がった可能性は高い。2017/02/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11151332
  • ご注意事項