内容説明
拘束に至る過程、拷問、他の人質たちとの共同生活、日常的な暴力、身代金交渉、家族による募金活動、そして間一髪の生還――。地獄を見た、24歳の写真家の過酷な体験を、著名ジャーナリストが丹念な周辺取材とともに書き下ろす。衝撃のノンフィクション。佐藤優氏(作家・元外務省主任分析官)推薦・解説。「ISの実態を記した驚愕の書。国際政治を理解するために必読」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねこまんま
31
少しは分かった気でいたが、「危険」の認識がそもそも違う。国境なき医師団でさえも拘束される世界に唖然とする。自分の命だけでなく、国益さえも損ない、政治的に利用されることの重さを危険地域に行く人はどこまでわかっているんだろうか。生還できたダニエルもは今後も後遺症に悩まされるだろうし、家族との関係も元通りというわけにはいかないと思う。知ること、知らせることは大事だけれど、拷問が当たり前の国なんてジャーナリストでも行ったらあかんよ。2017/01/08
doi
25
ISに囚われたデンマーク人ダニエルの経験談のようなもの。いや~本当に恐ろしいな、死ぬことよりも拷問されつつ生かされることの方が何倍も残酷で怖いや。とはいえアウシュビッツ収容所とかの方がヤバそうだし、身代金払えば釈放されるし、ISは意外と合理的な側面も大きい気がする。2016/12/24
若布酒まちゃひこ/びんた
21
戦略としての誘拐が書かれていたとおもった。人質としての日常の背後に耳をすませる本。2017/01/12
しろくま
13
シリア周辺に渡航する方は必ず読んで欲しい。人質の比較的優しい番兵が去り際に「他の仕事を見つけろ。ジャーナリストはやめておけ」と言った言葉が心に突き刺さる。死んで伝える事もあるが、生きてこそ伝えられる事の方が多い。2016/12/03
ブラックジャケット
8
東西冷戦が終わり、インターネットが登場した頃、世界は共通の価値観に向うのかな、と漠然に思ったが、逆に世界の分断と争いは激しさを増した。イスラム過激派はインターネットを利用し世界に拡大した。家庭用のハンディカムが、処刑シーンに使われ、そのショッキングな映像が世界中に拡散した。まさか、こんな時代になるとは想像もつかなかった…。そのシリアのISに拘束されたデンマークのカメラ青年ダニエルの迫真のノンフィクション。残酷な拷問、増える人質たちの身代金交渉。テロリストとは交渉しない強硬派の英米人質は…。衝撃の記録。 2021/10/03
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