文春文庫<br> パン屋再襲撃

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文春文庫
パン屋再襲撃

  • 著者名:村上春樹
  • 価格 ¥550(本体¥500)
  • 文藝春秋(2016/10発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167502119

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内容説明

堪えがたいほどの空腹を覚えたある晩、彼女は断言した。「もう一度パン屋を襲うのよ」。それ以外に、学生時代にパン屋を襲撃して以来、僕にかけられた呪いをとく方法はない。かくして妻と僕は中古のカローラで、午前2時半の東京の街へ繰り出した……。表題作のほか「象の消滅」、“ねじまき鳥”の原型となった作品など、初期の傑作6篇を収録した短編集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夢追人009

210
村上春樹さんのナンセンスな笑いに満ちた6編の奇譚作品集。今回は佐々木マキさんのカバー・イラストにエイリアンが描かれ何となく不気味でBGMにはXファイルのテーマ曲が似合いそうな雰囲気なのですが、でも結局は全然怖くはありませんのでご安心下さい。また作品の総括をする必要など全くなく読後に漂うそこはかとない可笑しさを味わうだけで十分でしょう。また1985年初冬に限定復活した双子姉妹は「羊男のクリスマス」にも童話キャラで出ていてファンには嬉しいですよね。まあ深く考えて悩まずにお気楽にけったいな物語に身をゆだねよう!2019/01/19

おしゃべりメガネ

194
村上春樹さんの短編集は、ほとんど読了済ですが正直、印象に残りにくい(忘れやすい?)作品も決して少なくはない気がします。そんな中でも本作は読んだ時のインパクトが強かった記憶があり、再読していても文章がクリアに思い出されてきました。やはり表題作『パン屋~』はその展開がとにかく印象的です。『象の消滅』は春樹さんらしい‘不思議’感満載で、『ファミリー~』はそのひねくれた会話のテンポがとてもコミカルです。のちの大作『ねじまき鳥』シリーズの原作となる短編は、この時すでにタダモノではない雰囲気を十分に醸し出しています。2015/05/04

ehirano1

181
表題作について。いや~難しかったなぁコレ。4つの空腹を「小さなボートに乗って養生に浮かんでいる」「水中には海底火山の頂上が見える」「海面と海底火山の頂上の距離は近いようだが正確な距離が分からない」「なぜなら海水が透明過ぎて距離感が掴めない」で表し、主人公の感情の変化としてメタる。これはもう大学の何かの講義レベルかな?2025/06/22

ハイク

175
6編の短編集。「ファミリー・アフェア」が印象に残った。僕と妹の会話のやり取りが面白い。僕の態度はクールで皮肉ぽく妹に対するが、それに負けず劣らず妹は妹で受け流したり、やり返している。妹の婚約者は素直で真面目であり一層兄妹を引き立たせている。「ねじまき鳥と火曜日の女たち」は長編小説「ねじまき鳥クロニクル」のベースになった作品だそうだ。他の編は著者の書いた狙いが良く分からなく、再読が必要だ。「渡辺昇」は全編に登場している。春樹本のイラスト担当の安西水丸氏の本名であるそうだ。このように各編とも工夫している。2015/11/11

おしゃべりメガネ

127
何度も再読してますが、やっぱり表題作が好きですね。夜中に突然、理不尽ともいえる空腹に襲われた、とある夫婦は何を思ったかパン屋を襲撃するコトに。夜中に街中を車で走るも、なかなかお目当てのパン屋はなく、諦めかけたそのトキ、妻の目に映ったのはパン屋ではなく、なんとあの世界的有名なチェーン店。他の作品では『1973年のピンボール』に出てきた双子の話が春樹さんファンにはたまらない。その話の中になんと「笠原メイ」も登場してしまうから、なおさらテンションあがります。「ワタナベ・ノボル」もあらゆる場面で登場してきます。2022/10/10

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