ドーダの人、森鴎外 踊る明治文学史

個数:1
紙書籍版価格
¥1,980
  • 電子書籍
  • Reader

ドーダの人、森鴎外 踊る明治文学史

  • 著者名:鹿島茂【著者】
  • 価格 ¥1,899(本体¥1,727)
  • 朝日新聞出版(2016/09発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784022514011

ファイル: /

内容説明

東大で独逸語を学び、ドイツに留学したのちには軍医の傍ら、小説家としても名をはせた森鴎外。彼には西欧人コンプレックスから生まれた「ドーダ」がある、と著者は説く。偉大な文学者の過剰な自意識に迫る画期的な文学評論。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

52
「ドーダの人」シリーズの森鴎外を中心とした明治文学史と題名などから推察して借りるが…… 明治時代まだ不明だった脚気の原因について、陸軍と海軍で対策が割れ、陸軍は間違った解決策をゴリ押しして多数の死者をだした脚気事件であるが、鷗外は陸軍軍医の上層部で誤った判断を下した側だった。明晰な鷗外なのになぜか、と著者は思い切った推理をする。どうもまとまりの無い本で途中でかなり読む気が失せ、なんとか読み通した。この著者の良くない本を引いてしまったようだ。ドーダの人シリーズはまだ未読のものがあるようだ。どうすっぺか。2017/06/26

おおにし

22
鴎外の論争パターンを詳細に分析した本。鴎外の米食論争には嫌な感じがした。これはまさに「ごはん論法」だ!兵士の脚気予防のため麦食を採用した海軍に対して論争を吹っ掛けた陸軍軍医の鴎外。彼の論法は麦食が脚気予防に効果ありという事実を無視して、米食が麦食や洋食に比べていかに優れているかを力説するだけのもの。その結果台湾で脚気患者が大量発生している。なぜ鴎外は米食にこだわり続けたのか。それは上司が米食主義者であったためだ。この鴎外の中間管理職的な対応は、国会での官僚の答弁へと引き継がれているのではないだろうか2022/05/12

ヨッフム

11
ドーダの人とは、「どーだ、俺すげーだろう。どーだ、参ったか」という承認欲求丸出しの自己愛を裡に抱えた表現者をカテゴライズしたものだそうです。そんな性格の悪い本がつまらないわけがなく。エリートゆえに西欧に過剰に適合してしまう優等生の鴎外が、西欧と日本、近代と前近代、「踊る鴎外」と「踊らない鴎外」に人格を分裂させていく過程が、大変にスリリングかつ誰もが身に覚えあるあるな悲哀に満ちたものなので、評伝としては偏った内容かもですが、個人的には満点でした。いわゆる日本スゴいブームの今だからこそ鴎外を読むべきなのかも。2017/03/06

ganesha

3
東海林さだお氏による「おれはすごいだろう、ドーダ、マイッタか」という自己愛から明治文学史を読み解く一冊。成島柳北と坪内逍遥と、踊る鷗外がいかにして踊らない鷗外になったのか。「語学頭脳容量定量説」やお雇い外国人、留学生の背負うものなど興味深く読了。2020/07/02

takao

3
なるほど (関連)東海林さだお ドーダの近代史、ドーダの人、小林秀雄2017/01/28

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11171044
  • ご注意事項

最近チェックした商品