内容説明
昭和8(1933)年、世界で何が起きていたのか。日本は国際連盟を脱退し、世界から孤立。ドイツではヒトラーが政権をとり、アメリカではルーズベルトがニューディール政策を開始した――。焼却処分を免れた国策通信会社の「幻の写真」を、一挙公開する。
【目次】
昭和8(1933)年の日本
国際連盟脱退
昭和初年の日本の世相
年末は皇太子誕生で盛り上がる
空から見た東京
1933(昭和8)年のヨーロッパ
ヒトラー台頭のドイツ
きな臭い時代でも文化の香るフランス
ムッソリーニ率いるイタリア
第二共和政下のスペイン
イギリス・ウインブルドンでの佐藤次郎
1933(昭和8)年のアメリカ
ルーズベルト大統領誕生
喜劇王チャップリンとロイド
アメリカから配信されたその他の写真
昭和8年以降
こんな写真があったのか
海外から配信の画像
日本で配信された写真
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
33
古書店で著者が見つけ、書籍化したもの。戦後処分されたものとの関連があるそうだが、それも詳細を説明してもらって初めてわかること。うなってしまいました。自分には単なる集合写真にしか見えないものが、そこに撮されている人たち、立ち位置、表情、服装でそのときのことが憶測できる。桜を見る会の様々なSNS情報削除や香港のニュースが頭をよぎる。隠蔽はなくならないが、嗅ぎつけ暴露することのできるプロは育てていかないといけないなあ、と思いました。2019/11/14
とよぽん
28
著者が古書店から発掘した、昭和8年(1933年)頃の貴重な報道写真。よくこんな貴重なアルバムが古書店にあったものだ。著者、石黒敬章さんの写真コレクションのすごさを感じた。手に入れた写真を日本、ヨーロッパ、アメリカの章に分け、「戦争への足音」という副題に沿って構成している。昭和8年は、上皇明仁様降誕で日本中が祝賀ムードの年末だった。また、この年ヒトラーが首相になり、ベルリンオペラ劇場前での焚書が行われ、ユダヤ人の排斥・迫害も厳しくなっていく。1933年という年、なるほどと思う1冊だ。表紙もなかなか。2019/05/03
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
13
著者が古本屋で見つけた写真たち。貴重な写真ばかり、この写真たちの後に第2次世界大戦というのは、副題の「戦争への足音」が物語っている。ドイツのヒトラー、アメリカのルーズベルト、皇太子後降誕。時代は繋がっているが、この中に戦争への火種があると知って読むのは心が痛くなった。2019/12/01
泉を乱す
7
私のイメージとして戦前って、日本に外国大使とかいないイメージなんだよね、もちろんいたことは知ってるし鹿鳴館もそういう社交場だったんだろうけど、 でもこうゆう写真として日本の軍トップと外国大使が一緒に写真写ってると戦争って表明見ててもわからんなーて思う2019/03/23
星辺気楽
5
一冊のアルバムを通して、世界が崩壊していく前兆を垣間見ることができる。 しかし、その映像にいる人々はことの重大性を感じてはいなかった。現在社会にも警鐘をならす。2016/10/18