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内容説明
単独で、冬の襟裳岬から厳冬の日高山脈を越え、果てしなくつづく北見山地を進み、6ヶ月後に宗谷岬を目指す。現在は写真家として大成した著者が、若き日に実行した無謀とも思える壮大な山行の記録。1995年に白山書房より刊行された名作を文庫化。
もくじ
旅立ち
◎厳冬の日高山脈
1襟裳岬~猿留川林道 ・襟裳にて
2猿留川林道~楽古岳 ・襟裳にて― 山に入った時のみ、誰にも気取らなくて済む
3楽古岳~神威岳 ・襟裳にて
4神威岳~コイカクシュ札内岳 ・新得にて
5コイカクシュ札内岳~カムイ岳 ・新得にて
6カムイ岳~日勝峠 ・新得にて
7日勝峠~狩勝峠 ・新得にて
◎雪解けの石狩山地
8狩勝峠~十勝岳 ・旭川にて
9十勝岳~大雪山旭岳/・旭川にて-i ・旭川にて-ii ・旭川にて-iii
10大雪山旭岳~石北峠 ・旭川にて-iv/11石北峠~北見峠 ・旭川にて-v
◎新緑の北見山地
12北見峠~宗谷岬
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
マリリン
48
有名な海外の山へのチャレンジではないが、ひと味違った山行記。北海道の背骨ルート襟裳岬から宗谷岬まで約半年の記録はその時々の心情や迷い葛藤などが抒情詩の如く描かれており心に沁みる。一歩踏み外せば死への入口となるかのような雪中の孤独の中で、立ち寄った宿や出会った人たちとの交流の中で、目前に広がる風景の中で、心が彷徨う様に生を強く感じる。決められたルートを歩む事が全てではない。自分なりの物差しを持つ事、目標を達成する事が呪縛になる危険性。これからも可能な範囲で単独行や一人旅に行こう。自分のものさしを持って。2021/06/28
ランフランコ
10
冬に北海道の山脈を南から北へ縦断する冒険。ずっと山にいるわけではなく、里に降りてはまた山へ戻ってを繰り返す。それでも充分に冒険だ。里ではその土地土地の岳人との交流がある。こういうのが実に良いのである。同じような志の者たちで飲んでいて楽しくないはずがない。志水さんはスーパーなクライマー感は無く常人に近い。読んでいる最中にK2で平出和也さんと中島健郎さんが滑落したニュースが飛び込んできた。スーパーなクライマーは死んじゃうんだよ。死ぬまで登り続けてしまう。悲しい性だなと思う。見てる世界が違い過ぎるんだろうな。2024/08/02
梅子
3
北海道を貫く背骨を積雪期単独縦走する大スケールの山岳小説。日本の山岳小説には珍しく心情の吐露が多くてメスナーのナンガ・パルバート単独行を思い出させる。もっぱら山だけの描写ではなく、山で出会った人や志を同じくする人、現地に生きる人などの交流も描かれ、著者自身の山行がそれらに左右されたり、とても人間臭くて温かい。一方30mを越える暴風雪をたった1人延々と歩き続ける果てしなさや絶望感、それを乗り越えた野生動物に戻るかのような興奮も生々しい。大きな共感を持って読める気持ちのいい作品。2017/03/17
コカブ
3
時は1993年12月。著者は、厳冬の襟裳岬に降り立った。これから、宗谷岬まで厳冬期の北海道の分水嶺を徒歩で縦断する旅に出る。といっても全ての行程を一気に進むのではなく、食料などを背負って数日進み、そこで下山してベースとなる宿に戻り、食料補給後にまた下山地点から山に入るという事を繰り返して進んでいく。そのため、厳しい雪山の直後に冬休みの旅行者と宿で話していたりして、何だかギャップが大きい。この文章は自分が不安に思ったことや、憤りを感じたことを素直に書いていると思う。その点、最近の個人ブログに近い。2016/11/13
Suzy
2
雪山登山やバックカントリーはしたことがないですが、景色が鮮明に想像できる描写で、読んでいてこちらもワクワクできました☺️ 自然に帰るという表現は凄くよくわかって、私達が自然に放り出されたらただの動物でしかない。"自分が一個の生命体であることを実感したい"という作者の気持ちがとても理解できました。2025/03/13
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