内容説明
壊れていく自分を“奔放な性”で保つしかなかった笑子。溺れ堕ちる寸前、彼女はある決意をする。東北在住の作家が、3.11を描いた大人の性愛の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
相田うえお
166
★★★☆☆ 心持ち怪しげなカバーデザインだったので、これ熊谷せんせーのだよね?と、ちょっとびっくりしたんですが、内容もびっくり。最近の作品舞台になっている仙河海市ではあるんですが、今までの作風にプラスして、えー?こんな描写を熊谷先生がしてしまっていいの?みたいな感じでドキっとしてしまう部分がちらほら。ここは昼間っから皆さんにコメント出来ません。とかなんとか色々ありながら結局はやはり3.11モチーフを忘れずに入れてます。人って喉元過ぎれば何とかほにゃららじゃないですか。あんな悲惨な出来事が起こったのに。。2016/10/08
じいじ
102
35歳の独身女性の激しい恋…ということで読んだ。「二兎追う者は一兎も得ず」の諺があるが、笑子の不倫の恋と年下の青年二人との恋の行方が愉しみだ。まず、読みづらい文体に手こずった。話の途中で度々脱線する。昔を回顧して腰を折られてしまうのだ。根幹の恋ストーリーが良く描かれているだけに残念だ。笑子の男を手玉に取るSキャラの面白さ、仕事ができる女の複雑な胸中―抑えきれない性への渇望、昂揚感、満足感、その反面相手の家庭を壊すことへの罪悪感、自己嫌悪が重複して面白い。でもこの笑子、同性は拒否するだろう…とふっと思う。2017/07/14
しいたけ
89
かつての教師貴之と、かつての教え子祐樹との間で微睡む笑子。恋に身を焦がすこと、突き放すこと。支配すること、支配されること。奪うこと、与えること。生命の輝きに身体を震わせること、死への扉の奥を覗かずにはいられないこと。過去と現在。海の満ち干きのように笑子の中を流れる時は、3・11のあの海に向かっていく。人々が重ねる日常の傍にあった微睡みの海を、あの日狂った波がのみ込んだ。明るい終わりに、かえって沈痛な思いが深まる。「すべてが破壊されても消せないものがあるとわたしは信じている」消せるものなど、何もないだろう。2016/10/11
ちょこまーぶる
44
本を読み終えて、その先がどうなっていくのかが気になる一冊でした。元教師の先輩であり元上司との不倫と元教え子との愛の間で揺れ動き、これからの自分の人生をどう生きていくかの決断をしていく話ですが、主人公笑子の行動・考え方に僕が男だからか、捨てられた男たちの気持ちを考えると泣けてきますね。男って未練たらたらっていう感じがありますからね。でも、ある意味女性の強さをまじまじと感じさせてくれた一冊だったかもしれませんね。表紙の女性も何を思っているのだろう?と感じてしまいました。2025/02/06
ジュン
33
図書館本。美術館で働く元教師の笑子が主人公。元担任、元教え子と関係を持ち微妙な三角関係が続く。教師を辞めると決意した経緯や、現状の微妙な関係で揺れる女心を描く。以前読んだ「邂逅の森」で作者への期待値があがったせいか、あまり心に響かずあっさり読了。2017/06/24
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