内容説明
低福祉、格差社会のアメリカだが、貧困老人に関しては年金や支援制度が手厚い。日本のように40年まじめに働いた人が年金で生活できないことはありえない。全米を徹底取材。なぜ、日本の老人は不幸なのか。取り入れるべき支援制度は。新しい問題提起が満載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
16
アメリカは機会均等で自助自立の国であり、高齢者福祉もそのスタイルかと思っていたがそうではないようだ。老後についてはきちんと暮らせる制度が受けやすい形で用意されており、年金も手厚い。その分中流高齢者医療保険と介護保険が弱いが。日本との差は「税を納めていた者が困ったとき生活保障を受けるのは当然の権利」という意識と、NPOを始めとする援助団体の充実(ボランティアを含む)、そして近所づきあいや社会参加だ。日本の老人は孤立し、せっかくある生活保護も受給率が低い。老後を家庭に押しつける政策と権利意識の未発達が原因か。2017/03/28
Humbaba
8
例え何かの拍子に上手く行かなくなってしまったとしても、セーフティネットが存在する。その存在を確かなものとして信用しているからこそ、躊躇のない消費が出来るし挑戦することも出来る。制度を作るだけでなく、その制度を使いやすいものにすることこそがそのような社会を実現するために必要となる。2016/11/14
田中峰和
5
格差大国アメリカより不幸な日本の下流老人というのが本書のテーマ。日米の貧困率はEU先進国に比べかなり悪いが、老人の貧困率は米国の10%に比べ日本の18%は圧倒的に悪い。中流であれば公的年金も米国は、はるかに高額が支給される上、企業のペンション年金や確定拠出年金を含めると悠々自適の老後が楽しめる。低年金や無年金の米国下流老人の場合も、生活費や家賃補助、フードスタンプなど日本の低額の国民年金より恵まれている。国民皆保険がなくてもメディケアが全額扶助してくれる。高額医療費で下流に転落する中流が多いのも皮肉だ。2017/03/09
yyrn
4
ご近所付き合いから救済制度に至るまで日本は貧困高齢者に冷たい社会だと作者は言い、誰でも転落する恐れはあるのだから米国のように最低限のセーフティネットは充実させるべきだというが、年金もかけず、貯蓄もせず、ましてや税金を払っても来なかった人たちをどこまで救済すべきなのか?悲惨な困窮例をたくさん挙げているが、普通ならそうならないように誰だって手を打つし、途中で投げやりになって生きる意欲を失ったり、親族や友を頼ることを良しとせず、世間体を気にして生活保護も申請できないというのなら、それもまたその人の人生ではないか2017/02/20
Humbaba
3
アメリカは自己責任の考え方が強く、だからこそ問題が発生しても助けてもらえない。そのような印象を持ちがちだが、必ずしもそれは正しいとは限らない。確かに中流にとっては厳しい部分があるのは事実であり、アメリカも楽園というわけえではない。しかし、そこからさらに悪い状況になったとしても、その時には最低限のセーフティネットが働き、日本よりも周囲からのサポートやつながりを持った生活ができる可能性は高い。2024/07/19
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