内容説明
ときは十八世紀後期のお侍さんの国。齢十六のお星が藪の中で光る円盤を発見した。この円盤、なんとひとりでに穴が開き、中には見たことのないものばかりが並ぶ。お星と幼馴染の舟彦、ふたりのティーンエイジャーは、現代から時空を超えてきたとも知らず、さまざまなアイテムに興味津々。これで難事件を解決できるかも? 技術の進歩=犯罪捜査の進歩、笑いあり涙ありの科学的捕物帳(トリモノート)。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
76
舟彦賢いな。しかし21世紀の知識を持ち神視点で事象を俯瞰する謎の語り手は誰だ?(著者の森川クンだろうけど)2017/04/24
papako
66
結構読んでる作者の作品。ある条件を加味したミステリが特徴。今回は江戸時代の人が現代のアイテムを手に入れたら岡っ引きの捜査はどうなる?というもの。らしくて楽しかったけど、ちょっと物足りないかな。最後の渦之丞と舟彦のやりとりがよかった。でも三途川のクソが好きかな。2020/09/25
だんじろー
61
アイテムを“万能物”として捉えるのではなく、得体のしれない“まがい物”と位置づけているところがミソ。問答無用の「文明の利器」が、時代が変わればただの邪魔物になりかねないとは、何とも皮肉なことよ。“光る家”のセキュリティの緩さがとっても気になるけれど。お星、可愛いなあ。2017/07/02
佐島楓
43
江戸時代に現代の捜査道具があったら? という設定。手順を踏んで発達してきたからこそ、文明には価値があったのだと思った。2016/06/26
ミーホ
33
幕末と言われてもいつ頃なのかピンと来ないくらい歴史に疎い(無知ともいうw)けど面白かった。森川作品の醍醐味とも言える独自設定、今回は江戸時代に現れたタイムマシン!!この時代の警察官?岡っ引きを父に持つ《お星》と幼なじみの《舟彦》が事件の解決にこのタイムマシンで見つけたグッズの使い方を研究し、真相究明に活かすお話。現代に普通にある物がこの時代では「なんじゃこれ!!」「おぉ!!」となるのが楽しい。地の文とは別に読者目線の解説も落語みたいでふふふとなる。逆ver.石持作品『人柱はミイラと出会う』思い出した。2016/04/13