内容説明
多くの昔話や稲荷信仰にたとえられるように、狐は古くから人に親しくも、とても神秘的な動物だった。そんな超自然の力を持つ狐に守護された若き武士が、激動の乱世を生き抜いていく不思議な物語「狐武者」をはじめ、深窓の女子学生失踪事件をめぐる男女の愛憎劇をサスペンス溢れる筆致で綴った中編「うす雪」など、7編すべてが文庫初収録となる幻の傑作集!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
penguin-blue
38
幼い頃、時代劇が常に身近にあった世代とはいえ(というと凄い年みたいだけど―笑)、半七に関しては観たり話に聞いた覚えはあまりない。その意味では初岡本綺堂かも。現代物(作者の同世代物)と時代物が両方入った短編集。個人的には時代物よりも現代物の方が印象に残った。いずれも女性が事件の鍵を握り、ややメロドラマ調な語り口と背景はちょっと前の美男美女俳優で映像化したら似合いそう。2016/10/20
ひなきち
26
岡本綺堂の短編集。大正期に書かれた古い作品なのに、なぜか新鮮な風味がする。主人公の後悔シーンが多いのが特徴なのだろうか…。思いがけないラストを迎える話もあり、全体的にもの悲しかった。だからといって、落ち込む訳じゃない。理屈じゃ解決できない人間の性(さが)なんだ、とすんなり納得させてしまう力がある。お気に入りは「姉妹」「勇士伝」。引き出しの多い作家だなぁと改めて感じた。2017/07/14
澤水月
20
新聞連載だったうす雪はキャラと設定が後から後から増えるわ終盤が火サスとドリフ(マジ火サス!)だわ、綺堂に珍しい凡作で冒頭のこれで投げ出したら惜しい。ただ大正時の婚前交渉の建前と本音など風俗はどれも良い。冒頭作は文庫にここまで未収録なのわかるなあ。表題作、伝奇・怪奇・異類婚姻譚・南北朝時の戦い方など興趣深い。2018/11/25
あんこ
16
大正時代の短編7つ。ミステリー、妖怪もの。春の雪の日、夏の終りの雨の日とか情景が鮮やかに浮かんできて、不思議な雰囲気が味わえる一冊。『勇士伝』が好き。2016/12/30
Ribes triste
11
趣ある綺堂の短編集。探偵物も妖しの物語も時代物も、読ませてくれます。名調子に楽しく酔う。2016/10/01
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