一年有半

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一年有半

  • 著者名:中江兆民/鶴ヶ谷真一
  • 価格 ¥1,078(本体¥980)
  • 光文社(2016/09発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334753306

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内容説明

喉頭がんで「余命一年半」の宣告を受けた兆民による闘病記、死に直面したからこそ語れる人性論という性格を併せ持つ、明治時代の大ベストセラーです。同時代の政治・経済・社会について歯に衣着せぬ批判を浴びせる「理念の人」兆民は、同時に、文化・芸能、ことに人形浄瑠璃への熱愛を示す「情の人」でもありました。「いかに死ぬべきか」を問う、現代人に贈る処方箋です!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

83
余命一年半でも毒舌家は毒舌家である。日本史の教科書で出てきた政治家の名前がボンボカ、出てくるので「あ、この人はこういう人だった」と復習できる事になりました。公の幸福より、自己利益を貪る政治家や自分たちの政党の沽券に固執し、政策提案は後手に回りがちな野党、外国に盲目的に追従しがちな日本へ苦言を呈していますが今、見ても古びていないのが何とも・・・。西郷隆盛の事を「人心に篤いがその後や大局的な見方ができない人物」と指摘しているのには驚きました。但し、女性に対しての見方には、個人的に好きになれないものもあります。2018/07/17

壱萬参仟縁

56
ハイカラは、灰殻連中ってことなのかな(46ページ)。日本に哲学なし(55ページから)。昨日は平田篤胤門下の木曽の本で出てきた平田篤胤。批判の的に。官僚批判も(126ページから)。中江兆民は福澤諭吉せんせいから教えを受ける機会はなかった(157ページ)。解説によると、中江兆民は理念の人(312ページ)。最後には、事業失敗、病苦。五十路でなくなった。東洋のルソー。2022/01/20

まりお

40
癌を患い、余命一年半を宣告された中江兆民。その時間をもって書かれたエッセイ集。今時の政治や日本国民、著者が好きな浄瑠璃、そして時折病状について触れる。憎まれ口が多いが、それで面白い。最後の方になると、お世話になった方、好ましく思いも拝見することができなかった方、嫌いなやつ、それぞれに対して思いを綴る場面がある。これを読むと終わりに近づいたのだと分かった。2017/05/20

Y2K☮

31
プロレスラー小橋建太を連想。王者になりたての頃、後輩の秋山準から盛んにダメ出しをされていた。「じゃあおまえがやれよ」とキレてもいいのに、小橋は「アイツの求める理想は高い」と全て受け止め、吸収し、絶対王者と呼ばれる領域まで登り詰めた。兆民も理想主義者。彼の発する痛烈且つ貴重な毒言を呑み込めた者は当時いたのか? 井上毅などごく少数だったに違いない。云うだけでなく実際に政治家になり、失敗したとはいえ事業にも挑んだ彼の生き方からなぜもっと吸収しなかったのか。実践なくして道義なし? ならば道義なき実践も又無と同義。2019/06/04

Y2K☮

30
1901年出版。時代が時代だから、書かれたすべてに賛同はしないし明らかな見込み違いもある。たとえば大久保利通。質実な人間性はともかく、弱肉強食の帝国主義へ舵を切った政治的方向性を称える気はしない。グローバリズムへの幻想も同じ。だが後出しジャンケンはフェアじゃない。むしろ死を間近に控えた病床にあってもなお政権を批判し、理想に対して妥協しない情熱こそ見習うべきだろう。浄瑠璃が苦難に満ちた生涯の支えだったことも伝わった。あと訳者の注が丁寧で興味深い。大村益次郎や岩崎弥太郎、西園寺公望などについて詳しく知りたい。2022/05/01

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