内容説明
ベストセラー作家がみずから投稿原稿を批評・添削しながら、執筆の指導を行う実戦的小説入門書。
数多くのベストセラーで知られる栗本薫が、中島梓の別名で雑誌JUNE誌上に連載した小説入門講座。やおい・BLとして知られる男性同性愛小説向けの内容ではあるが、夭折した天才作家が、創作の機微から具体的な技術までを余すところなく伝えた、創作を目指す者にとっての必読の書。
【著者】
中島梓
1953年東京生まれ、2009年に病没。1977年に群像新人文学賞評論部門を、1978年に江戸川乱歩賞を受賞して文壇デビュー。小説は栗本薫名義で、評論などその他の活動は中島梓名義で発表する。正伝130巻、外伝21巻のグイン・サーガ・シリーズ始め、400点を越える著作が刊行された。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
むし改め えむ
3
うわははは。快刀乱麻を断つとはこのこと。JUNEというBL雑誌に投稿された小説を栗本薫が批評するという企画をまとめた本。80年代に書かれたものなので、言葉遣いやノリ、JUNE作家などの名前がなじめず&わからず最初はイマイチ面白くない…?と思ったが回を増すごとにこの独特なノリや「先生(著者)」の自己評価の高さがクセになる!小説を書くということに真摯に向きあっていて、愛しているのがとてもよくわかり、特にあとがきには胸が締め付けられた。小説を書くにあたっての心構えや視点の話など、とても勉強になる。2016/03/01
みんみん
2
一度登録してないと再読本にはならないのね。小説June掲載時にリアルタイムで読み、単行本も読み、すごく久しぶりに電子で読んでみたが、やっぱり面白い。中島梓の小説愛にあふれる文章は、実践的に小説家を目指す人にはタメになる。門弟への指導がカウンセリング的にも感じられる。小説はいくら隠そうとしても、作者本人が見えてしまう、とかの名言も続出、作家としても一番脂に乗った時期であったと思う。2024/08/13
ろへい
1
栗本薫が連載を持つ雑誌の読者からBL小説を募り、講評を行う。90年代という時代の、今でいう腐女子のような独特な語り口が読んでて痛々しいが、添削自体はいたって真剣である。原稿を鉛筆書きするなど、ナメた門弟がいるが、ちゃんと指摘してあげるだけ著者はかなり優しい。小説作法は地の文の視点について徹底的に解説している。一人称と三人称のどちらかを使うことになるが、三人称であっても、どの登場人物の目線に寄り添うか、あるいは全く寄り添わない神の視点に徹するかという、芯を食った議論が勉強になる。巻末のJUNE論は必読である2025/08/10
表裏一体
1
とんでもない良書。今となっては軽薄な筆者の語り口が古臭いし、考え方も小説がより消費的になった現在とは相容れない部分がある。しかも新版は批評対象の作品が載っていないので、先生の批評が正しいのかも検証できない。それでも小説というものをどう捉え、いかに書き、どんな風に評価していくかという思考力を間接的に習得できるし、筆者の持つ並々ならぬ小説への情熱に、感化されない作家志望の者はきっと居ないだろう。初っ端に古臭いと書いた語り口も、他方軽妙で読みやすい。ともすれば辛辣でしかない指摘の数々も、不快感なく楽しめる。2022/08/02
かしこ
1
文章が80年代のノリの軽さ、終始ふざけた調子なのが少し読みにくかったが、小説には作者の人間そのものが出る、書きたいという熱い思いがあふれ出て書かねばならないなど、とてもいいことが書いてあった。文章の書き方の本はそこそこ読んできたが、こんなことが書いてある本が他にあっただろうか?2019/01/15
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