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内容説明
「東京裁判から60年。ようやく〈事実〉に基づく、冷静かつ実証的な研究がなされる時代がきたとの感に打たれた。〈歴史〉が待ち望んでいた書だ」――保坂正康(ノンフィクション作家) 東京裁判は「国際政治」の産物以上のものではない。イデオロギーを排し、「文明の裁き」と「勝者の報復」をめぐっての不毛な論争に終止符を打つ。第30回サントリー学芸賞<思想・歴史部門>受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんやん
37
そもそも戦犯とは何か、A級とはどういうことか、勝者が敗者を裁く法的根拠はどこにあるのか、先ずはそこからだ。近現代史観の対立には正直ウンザリするが、事実に基づき、感情(悲憤慷慨や声高な正義の主張)を排し、冷静に背景を読む姿勢に共感する。弁護方針を巡る対立、判事側の足並みの揃わなさ、ばかりでなく、被告の足の引っ張り合いまで。当然普遍的な法による審判ではなく、告発から減刑まで連合国間の政治的な駆け引きの面が目立つ。復讐、メンツ、国内世論への配慮、予算、対日政策、冷戦構造化の対立…とても単純な二元論では語れない。2020/06/01
kawa
34
東京裁判は国際政治の結果と捉え「文明の裁き」と「勝者の裁き」の両面が存在し、そこから裁判をニュートラルに検討する。日本人戦犯は、対外的には「国際法上の犯罪人」だが、対内的には「国内法上の非犯罪人」という位置づけになるほど。日本では評価の高いインドのパル判事の立論についても、「満州における日本のとった行動は、世界はこれを是認しない(略)その行動を犯罪として非難することは困難であろう」と紹介している。新書としては400ページ超えの長尺で知らなかった事実が多数の充実書。2025/01/09
terve
30
中公新書の『日本近現代史14講』でも執筆している著者の元本。東京裁判とは何だったのか?著者は冷静かつ客観的に〝東京裁判の政治史〟を捉えようとしたところに特徴があります。弁護団の不仲もそうですが、判事団もまとまらなかったなど、ニュルンベルクには見られなかった問題点も多かったようです。何にせよ我々はどこまで知っており、冷静に語れるのか?といったところを大切にしなければいけませんね。2019/09/01
テツ
26
大戦を締め括るための東京裁判。その意味について。学校でぼんやりと教わるだけで一般の生活の中で深く知ることはないけれど、これは戦後の日本の安全保障のために決して避けることの出来なかった禊の形。戦犯とされた各々がどんな名目で裁かれたのか、弁護団や判事団が何を考えどう立ち回っていたのかなどということは今こうして日本に生きている以上は知っておくべきなんじゃないかなあと思う。2020/05/16
アベシ
25
1958年12月を以って戦犯と言われた人達はすべて釈放された。私は2才、経済白書にもはや戦後ではないと書かれて2年後だ。終戦から12年、既に戦後の冷戦体制に変わろうとしているとはいえ、この国際情勢の変化は冷徹である。靖国神社にA級戦犯が合祀されていることも、日本では皆死んだら尊い御霊になるのだから、他国に言われることではないと考えていましたが、極東軍事裁判で平和に対する罪に問われた人々だということの意味を今まで深く考えていなかったなと思いました。人間は忘れてしまうからこそ、憲法改正は必要だと思いました。2019/08/25
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