内容説明
親子の間にある愛と憎しみについて、依存について、親離れと自立、思春期の娘をもつ親へのアドバイスなど、親と子のさまざまな問題を中心に、中高年の心の問題や、シゾイド人間と自己愛人間、対象喪失とモーニングなど、人間の心についての深くておもしろいお話を幅広く集めた一般向け講演集の文庫化。精神分析的なものの見方が、やさしく、わかりやすく語られる。親子の問題に悩む一般読者から、カウンセラー、精神科医まで。解説は、相田信男氏。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
せ~や
72
すごく面白かったです。読みやすく、わかりやすい。夫婦、親子、依存と自立、喪の作業、自己愛…それぞれの心理に関する事が身近な例えを使って書かれていました。親離れの心理や必要性、「悲しい」をきちんと悲しむ事、依存の必要性とそこから生まれる「自立」への道のり…良い所がたくさんでなかなか書ききれません。親離れ子離れの心理も、依存と自立の関係性も、喪の作業のプロセスもどれも面白く、なるほどな…と思いました。この本、大事にしようと思います。心理学を学んでる方や抽象的な事が苦でない人はきっとワクワクする一冊です。☆52020/10/08
tolucky1962
8
著名な精神科医・精神分析家の著者。講演の内容をまとめたもの。アメリカ流自立の尊重が行き詰まる中で、日本の甘え方を評価している。高齢者・中年・思春期それぞれの精神的課題、対象喪失(別れ)や自己愛についてもわかり易く解説している。対象喪失では喪をはじめとしていろいろな別れの苦しみに逃げるか超えて強くなるかの違いも示す。モラトリアム人間などの命名でも有名ですが、この本では1.5の関係(1対1の二者関係、多数の中での三者関係に対してヴァーチャル世界との対面重視)という言葉も提唱している。2016/12/18
がりがり君
7
思想とかいうんでなくて、純粋な精神分析のお話。臨床の現場で感じたこと、考えたことなどの随筆集(講演集?)。わたしはそんな頭がよくない方なので、こういった、具体的な話がいっぱい載ってる本の方が理解がしやすい。アメリカと日本の結婚観の違い。この本が書かれて20年経ったけど、それほど変わったとは思えない。世情に疎いからだろうか。あと思春期における親とのわだかまりが解決できてるか出来てないか、というのは生涯に大きい影響を与える、だとか。著者の専門は喪の仕事らしく、喪の仕事に関しては記述がやや詳細な印象を受ける。2021/05/30
たかたか
1
精神分析の理論を一般向けに具体例で説明しているのでわかりやすかった。特にライフサイクルに従って、それぞれの世代で問題になる可能性があることと、取ることができる関わり方について解説しているのが参考になった。文体も講演会をもとにまとめあげられているため、とても読みやすかった。2025/02/16
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