内容説明
超大国アメリカの陰に隠れて、カナダとアメリカの違いを説明できない人も多いことであろう。たしかに、両国とも主要言語が英語であったり、政治経済的には自由民主主義、資本主義であり、共通点は多い。しかし、カナダは米国とは別のアイデンティティを模索・樹立し、米国の「言いなり」にならない国だ。日本が、アメリカとは異なるカナダから学べる政策や教訓のようなものは、あまりにも多い。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こにいせ
7
カナダの政治・社会入門編。筆致が多少冗長過ぎるきらいはある。が、2010年になってもあまり注目されない(しかし協調してまったく損はない)カナダの情報を知ることが出来る、価値ある一冊。対米外交の記述に関しては、『対米交渉のすごい国』の方がお薦め。疑問が一つ。カナダは環境活動や捕鯨に関する「エコ・テロリスト」の活動拠点でもある。日加関係を良好に保つ為には、上記「問題」を変数に置く必要があるように思う。その辺りの筆者の見解を訊いてみたい。2010/04/22
スプリント
4
少し前に書かれた本ですがカナダという国を様々な分野から紹介していて参考になります。2015/04/12
shigoro
3
日本から見ると、加米ともに北米に分類されて、領土も大きく、英語圏であり、なんとなく一緒くたに見てしまう部分があるな。日加共に、米に依存してる部分があるのに、政治的な部分で、日本みたいに妥協して引き込まれるのではなく、キチンとNOと言える加政府の手腕が光るな。それにしても、1つの州(ケベック)が独立しようとしても、政府が力づくで阻止するのではなく、国民投票に従う姿勢に驚いたわ。 2011/07/17
きむちゃむ
3
とても読みやすかった。カナダの歴史についてはいまいちだったが、政治は少し理解できた。巻末の文献情報親切。これを機に日本では聞き慣れないよく知らない国について知りたくなった。2010/08/13
なつの
3
カナダ入門といった位置づけの本です。内容は政治から経済まで多岐に及んでおり、特にカナダと隣国アメリカの差異についてかなりの割合を割いています。浅く広くカナダを知るためにはちょうど良い文献かと思われます。問題点は、2003年初版で少しデータが古いという点です。2010/03/17