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内容説明
大学というのは思いの外、可能性に満ちている場所ではないか。大学全入時代のいま、世間から関心が集まるのは「就職に有利かどうか」一辺倒。学び・教えが軽視されてしまった。でも、大学ならではの「学びの本質」があるのではないだろうか。まんが原作、小説、批評など他ジャンルで活躍する人気筆者が、みずからの体験と実践を紹介しながら、大学の役割を考え直す。(講談社現代新書)
目次
二年目の儀式
ぼくは大学でいかに学んだか
何故「描く方法」を教えるのか
つくり方を「つくる」ということ
まんがはいかにして映画になろうとしたのか
ルパンの背中にはカメラのついたゴム紐が結んである
日本映画学校と十五年戦争下のカリキュラム
一瞬の夏
ジャンルを「翻訳」するということ
高校でまんがを教える
AO入試は下流なのか
千葉徳爾とぼくの「自学」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
46
学ぶことの意味を考えさせられ、共感できる一冊だった。2016/07/23
ぐうぐう
9
いつもの大塚の、天邪鬼な視点からの皮肉たっぷりな大学観なのかと思いきや、なんと本書はとても熱い。大塚と、彼の講義を受ける学生達との交流を中心に語られている『大学論』は、単純に大学のあり方を一般論として主張するのではない。自身の体験をもとに、ときにセンチメンタルにもなりながら、大塚は大学を、そして学生を肯定する。そこには、夢に向かってひたむきにがむしゃらに突き進もうとする学生達の、まったく捨てたもんじゃない姿がある。そのことに、読んでいるこちらも救われた気分になる。(つづく)2010/05/13
空崎紅茶美術館
7
この著者の本は『サイコ』しか読んでいない。このエッセイは面白かった。その分野を学ぶ上での頭の良し悪しは偏差値とか点数とかでは測れない。「まんがを教える大学」から、その学校生活を通して、教えるということ、作る(表現する)ということ、ひいては一人で学び生きていくことについて。技術ではなく、方法。「誰でも書ける」、書き言葉が増えた。では、その書き方は? 流動的に物事が進んでしまう今、大切なことは、対象がどのようなものであったとしても通じる「方法」にある。2011/04/19
魚京童!
6
http://kuzirappa.blog.fc2.com/blog-entry-1339.html2014/01/14
おらひらお
6
2010年初版。内容は大学で教鞭を執るようになった著者と学生のかかわりを自分の学生時代と重ね合わせたエッセイ的な本。タイトルと内容が異なりますが、まあ、さらりと読める本です。やはり自学の大切さを指摘しています。2012/11/01