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内容説明
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嘉永六年六月、ペルリ提督軍艦四隻を率いて浦賀に闖入。威嚇された幕府は挙措を失し、老中阿部正弘諸侯に対策を諮問、幕府の権威ここに失墜。時に家慶死し、家定将軍職を襲ぐや蝦夷派の巨魁水戸齊昭幕政に参与。ここに高島秋帆ひとり鎖攘の非を指斥し、開国意見書を提出。幕府の対外政策なお飯上の蠅を追うがごとくその退帆を願うのみ。すでにして七月、露国プッチャーチン長崎に入港。交易を乞う。開明派官僚川路聖謨らその渉に当る。(講談社学術文庫)
感想・レビュー
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jinginakineko
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蘇峰といえば蘆花に絶交された保守大物の兄ちゃん、という印象しかなかったが、読んでみるとさすがに面白い。格調高くも解りやすい文章だった。一次資料を膨大に引用しているが、これらがまた面白い。あらゆる角度から見た黒船来航談になっている。 中でも高島秋帆の建白書には驚く。国中が夷荻撃つべしと叫んでいるとき、貿易のシステム作りや輸出入すべき商品について提言しているのだ。こういう人こそ天才というのだろう。 ペリーの陰に隠れがちだが、ロシアのプチャーチンの交渉のくだりも凄い。いろいろな意味で現代に繋がっていて瞠目した。2022/05/05