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内容説明
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島原の乱の原因はヤソ教徒の反乱か、苛斂誅求の結果か―。関ヶ原の役から三十年余の間に徳川幕府の一切の仕組は整頓せられ、爾来二百有余年の泰平は維持せられた。本篇はその間における歴史過程、特に、従来の歴史家に閑却せられてきた宗教的弾圧と鎖国政策との至緊至切の関係を説きつつ、何故に幕府当局者は鎖国令を徹底励行せしめるに至ったか、かかる形勢を馴致せしめたる徳川幕府の自存主義の是非を後世史家の問う雄篇である。(講談社学術文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紙狸
9
鎖国について勉強しようと読んだ。徳富蘇峰『近世日本国民史』のうちの一巻。大正13年の日付のまえがきあり。文庫本は昭和57年刊行。蘇峰のスケールの大きさと独特の語り口に久しぶりに接した。「家康は、決して鎖国者ではなかった」。しかし幕府制度を維持するには鎖国政策は必然だった。二代将軍、三代将軍と代をおうごとに鎖国は厳しくなっていった。鎖国と結びついているのがキリスト教に対する弾圧なのだが、蘇峰が殉教者たちについて「日本歴史の光である」と書いているのには驚いた。蘇峰自身が若いころキリスト教に接した反映か。2020/12/09