内容説明
大乗仏典というのは、仏教の神髄をより多くの人々に伝えるために、難解な哲学でも形骸化した戒律でもなく、面白い文学作品にして表現しようとしたものなのです。より多くの人々を悟りの境地に運んでいく大きな乗り物。それが「大乗」というコンセプトです。その乗り物を具体化したものが、文学としての大乗仏典です。ここにはユーモアとウィットがあります――<「まえがき」より>。芥川賞作家が解説する、本当は面白い仏教!
目次
プロローグ 仏教の華-大乗仏典
第1章 釈迦と呼ばれるスーパースターの誕生
第2章 なぜ小乗はダメで大乗はすごいのか
第3章 形式仏教を笑い飛ばす『維摩経』のユーモア
第4章 何でもありの百科事典『法華経』のスケール
第5章 絶望の底から立ち上がる『浄土三部経』の夢
第6章 超明解『般若心経』早わかり解説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
91
『つぎはぎ仏教入門』『ゆかいな仏教』と読んできて、仏教の基礎知識、哲学的意味をある程度理解できました。次は、日本に渡ってきて発展した大乗仏教の仏典の概要を知ることだと思い、この本を手に取りました。この本では大乗の代表的な仏典を概説してくれています。それはユーモアとウィットにあふれたスペクタルな文学作品です。禅問答に似た言葉のやりとりの面白さもあります。この物語を面白く読むだけで仏教の奥深さの入り口に立つことができると思いました。2019/11/01
月讀命
55
仏教について解りやすく書かれており、どれも興味深く知的好奇心を唆らえられました。仏教というと、兎角、金儲け主義とか、葬式仏教とか悪いイメージで言われる事が多いのですが、本来の仏教、小乗仏教、大乗仏教について解りやすく述べて下さるので勉強になる一冊である。スジャータ、スジャータ・・のコマーシャルの語源は、お釈迦様にお粥を与えた女性の名前であり、レインボーマンに出てくるダイバダッタという人が実在し仏教徒を乗っ取ろうとした人であると云う事と等、蘊蓄も多く散りばめられている。この本を、足がかりに仏教を勉強したい。2012/11/05
re;
19
語ることのできない真理を語ってみようという試みが各種経典である。がしかし結局、そこに語られていることはすべて真理ではない。だって、真理は語れないから。「クレタ人は皆嘘吐きだ」というクレタ人の言葉は嘘なのか?というパラドックス。ぬをっ。確かに!!禅問答の沼にはまる・・・。『色即是空空即是色』五感に囚われるな。どちらかにこだわるな。断食中に、差し出された一杯のミルク粥を、ただ自然に口にする。それこそが悟りなのだ。ちなみにこのミルク粥を差し出した少女の名前はスジャータだそうです。2019/11/27
よし
8
今まで、「仏教」・・「経典」・・「お経」って?と、漠然としていた。 「なぜお経は数限りなくあるのか?」この本を読んで、ほんのさわりが分かった? 「釈迦」「仏陀」「阿弥陀仏」「菩薩・・悟りを求める修業中の仏陀」「毘沙門天・帝釈天・大黒天・・」、「クレタ人はみんな嘘つき」というパラドックスと不可知論。「釈迦が示した生きる指針・・四諦・煩悩や妄想を断つ・・八正道。」法華経と「方便」・・・一冊で分かる!というより、やたらと謎が深まってしまった。(当然か(笑))2015/12/08
カツ
6
当たり前といえば当たり前なのだが、仏教の成り立ちと経典の説明だけなので自分的には何とも物足りない。でも、法華経は読んでみたくなった。2019/09/08
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