- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
もはや一億総「心に穴が空いている」状態。若者どころか現代の日本を広く被う「生きづらさ」、心が安直に悲鳴をあげてしまうメカニズムとその裏にあるものに切り込み、それでも現実と折り合う道を模索する。(講談社現代新書)
目次
第1章 満たされない私、傷つきやすい私(他人にはわからない苦しさ
いらだちの矛先 ほか)
第2章 いくつもの私、本当の私?(かろうじて「私」
「解離」ということば ほか)
第3章 最後の砦としての「からだ」(「自分がいない」の適応?
「応急処置」の自己回復 ほか)
第4章 自己回復のために(精神医療の役割
「このままでいい」わけじゃない ほか)
第5章 「偶然」と「必然」(恍惚と不安の世界
落としがちな命 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
15
講談社現代新書、この新書シリーズの表紙のデザイン安直すぎませんか?これ考案した人にデザイン料払ってるんですか?さて、私と同じ歳のリカちゃん先生の本です。と言う事は彼女も立派なバアバになりましたね。今回は現代の若者に多い、心に穴があいて、自傷を繰り返すのだが、その事を自覚してない、解離性障害に近い症状について考察しています。死んだら死んだで構わない「くじ引き自殺」を繰り返したり現実を認識する能力に欠如が見られる、今まではトラウマが原因の場合が多いがそうとも限らず、捏造されたトラウマを作り出したり、複雑怪奇。2023/11/22
melon
11
内因性精神疾患とは主な原因が体質的素因にある精神疾患 例)うつ病、躁鬱病、統合失調症2014/11/20
わくわく
3
「心にぽっかり穴があいている 」という感覚を抱え、自分の感情や思考の引き裂かれに苦しむ人、さらには穴があいているどころか、自分がいくつもにもばらばらになり、「どれが本当の自分なのだろう」と苦しむ人について書かれています。 病名で「境界性人格障害」「解離性障害」って聞くけれど、どんな心の状態なのかよく分かりませんでしたが、この本を読んで苦しさがほんの少しですが分かった気がしました。勉強になりました。2013/05/17
まこちゃん
2
現代に生きる人々(特に若者)が感じる「生きづらさ」について心理的な構造や時代の流れとの関連性などの側面から分析したもの。結論として「何故『生きづらさ』を感じてしまうか」と「どう対処すればいいのか」については明確な答えは語られていないが、「生きづらさ」を感じている誰もがその「生きづらさ」から解放され充実した人生を送ることを望んでいるはずだ、という締めくくりに希望を感じました。人間の内面の奥深さや複雑さを改めて感じた一冊。2020/07/25
Elsa
2
夏休みあけの8月31日、9月1日に自殺する学生が多いというトピックをみました。香山さんは、2004年に10代や20代の若い世代の人達と現場で接してしている現実、実態を記していると実感。心の穴をぼんやりですが自分も感じてるとき、何してるかなあ?と振り返る時間にもなりました。2015/09/21