内容説明
人間はオギャーと生まれたその日から、死のキャリアとしてこの世に生き、約束された死は必ず実現する。
いわば死を抱えながら生きる病人としてこの世に生まれ、再び「大河の一滴」となって海に帰る。
肉体としての自分は消えてなくなるけれど、大きな生命の循環の中に、命のエネルギーは溶け込んでいって、そこで永続する。
だから、天上天下唯我独尊。
犀の角のごとく独り歩めというブッダの言葉のように、孤独死、結構ではないかと思うのです。
青春、朱夏、白秋、玄冬
人生を四つに分けた時の最後の舞台
このステージを最良のステージにするための、7つのすすめ
1. 同居自立のすすめ
2. 非相続のすすめ
3. 再学問のすすめ
4. 妄想のすすめ
5. 趣味としての養生のすすめ
6. 楽しみとしての宗教のすすめ
7. 単独死のすすめ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
93
五木寛之は、新作中心に読んでいる作家です。老年期をいかに生きるか、死に様の指南書。他者に依存せず、自分自身で自立して生きる(死ぬ)というスタンスに共感しました。本書で「玄冬」という言葉の意味を初めて知りました。猫が死ぬ間際に姿を消すように、人間も死ねたら幸せなのかも知れません。2016/07/29
ophiuchi
19
この死生観は自分とかなり近い。「孤独死」のすすめ、ここまでの覚悟があればと心にしみました。2017/08/17
乱読家 護る会支持!
8
人生の最終コーナーを回ってから、いかに生きるべきか?「家庭内自立」「再学問」「妄想に遊ぶ」「孤独を楽しむ」「あらゆる絆を断ち切る」「自分の身体と対話する」「不自由を治そうとしない」「宗教を楽しむ」、そして「置かれた場所で散る」。。。。う〜んと、、、「あらゆる絆を断ち切る」以外は、やり倒している私、、、このまま毎日を、広い視野を持ち、いろんな回路やアンテナを開き続けて、爆走し続けて、どこかの旅先で倒れて、その場にあるモノ・キと語らいつつ散りたいものです。知らんけど。( ̄∇ ̄)2016/09/18
rana
8
五木さんの年齢までにはまだかなりあるが、80までいかないうちにお迎えがあるやもしれません。その時のことを考えて、身辺整理を始めるのがいいのでしょう。身近な友達に、伴侶に先立たれた人が年々増えています。いづれ自分も一人になるか、連れ合いを残していくか、これまで歩んできた時間より残された時間は短いのだから、充実した時間にしたいと思う。そして、悔いのない人生だったといえるような最期を迎えたいものだ。2016/08/25
カツ
7
五木さんによる人生後半の指南書。「孤独死のすすめ」などという物騒な話があるが、家族や子供に頼るのではなく老いてこそ自立して楽しく生きていくべきと説く。五木さんの語り口は優しく押しつけがましくないので素直に受け入れられる。2020/11/27
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