重光・東郷とその時代

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重光・東郷とその時代

  • 著者名:岡崎久彦
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • PHP研究所(2016/09発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569660387

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内容説明

満洲事変から真珠湾、そして敗戦へ……。大東亜戦争によって大日本帝国は灰燼に帰した。幣原喜重郎外相退陣以降、敗戦にいたるまでの、この14年間、日本の外交をリードしたと言える人物はいない、と著者は言う。歴史に「もし」はないが、その間、もし陸奥宗光・小村寿太郎・幣原喜重郎のような練達の外交官が、長期間、責任を持たされて、わが国の外交を担っていたとしたら、歴史はまた別の結末を迎えていたかもしれない。本書は、長期的な戦略も情勢判断もなく、戦争への道を歩み出し、ついに苦渋の選択をするにいたった、大日本帝国の「滅びの叙事詩」を描いた、長編歴史評論である。だれも英雄でないこの14年間を、これまでのこのシリーズのように、個人の伝記の形式で描くのは不可能なことである。本書が徹底して個人的な解釈を廃し、歴史の事実を忠実に追うことで敗戦までの道のりを描かざるを得なかったのは、まさにそういう事由によるためである。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さきん

19
昭和初期の情勢を巡る。重光、東郷に関する記述は少ない。外国との折衝は軍部が勝手にやってしまっている。石原莞爾は戦略家として唯一、米欧、中国に肩を並べる慧眼を持ちながら、満州事変が悪い先例になって支那事変を収容できなかったという解説はなるほどと思った。共産党の日本を巻き込んでいつの間にか主導権を握る戦略と、それに気付き、日本を刺激したくない蒋介石の駆け引きが凄まじい。ソ連の資本主義国家の潰し合いまで手を出さないという戦略もすごいと思った。2017/11/20

バルジ

1
重光・東郷の両名に関する記述はわずか。著者は「戦争の時代に外交官が出来ることは無い」旨書いているので、まさにその通りの構成なのだと感じた。この書では「情報軽視」と「作文行政」の弊害が何度も説かれる。「国家戦略」を省庁間のセクショナリズムに囚われあげく「作文」で折り合いをつけるという恐るべく無責任、情報を大局的に検討し戦略へと活用する視野の欠如等、著者の舌鋒を鋭い。「戦略は戦術でカバー出来ない」これはエドワード・ルトワックも言っているが、優れた情勢分析を戦略へと昇華させる者にこの原則は鉄則なのだろう。2019/04/29

熱東風(あちこち)

0
ある意味、タイトル詐欺とも言える。重光や東郷が表に出て活躍する事は殆ど無い。404頁から少し彼らのエピソードが述べられている程度だ。ただ単に「重光や東郷が外相だった頃の日本史」とでもいった意味合いにしか過ぎない。それは本文にも述べられているように、戦争が始まってしまえば外交官のする事が殆どなくなってしまうからだ。/前巻の「幣原」版に続きこの著者の本を読んだのは二冊目だが、前巻共に是々非々のスタンスで感情に流されない公正な史観で綴られているように思う。2014/02/20

muko1610

0
★★★2008/03/23

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