人工知能のための哲学塾

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¥2,640
  • 電子書籍

人工知能のための哲学塾

  • 著者名:三宅陽一郎
  • 価格 ¥2,376(本体¥2,160)
  • ビー・エヌ・エヌ(2016/09発売)
  • ポイント 21pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784802510172

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内容説明

「人工知能は、いつ主観的世界を持ち始めるのか?」

本書はこの問いを巡って、人工知能を成り立たせるための哲学・思想的背景(工学やコンピュータサイエンスではなく)について、ゲームAI開発者として数多くの実績のある三宅陽一郎氏が解説する一冊です。
人工知能は「私」というものを持ちうるのか? そうならばそれはいかにしてか? 「世界」とは何か? そして「身体」とは何か? 人間の世界認識/自己認識の軌跡を濃密に辿りながら、人工知能に迫ります。
Facebookで1,500人が参加するコミュニティ「人工知能のための哲学塾」にて開催されてきた連続夜話が待望の書籍化!

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

33
AI開発にはコネクショニズムとシンボリズムの異なったアプローチがあります。第三次AIブームでは前者が隆盛ですが、ブレイクスルーには後者のアプローチが必要になってくると著者はいいます。著者はゲーム開発に携わっている経歴から、ゲームのキャラクターに身体があることに着目します。汎用AI開発の問題である記号接地問題とフレーム問題の解決に必要なのは、内界を内面的世界として認識し、外界を主観的世界として認識する身体です。本書は直接AI開発に役立つというよりも、AI開発からみた哲学を再定義していると読む方が有益です。2019/04/15

nbhd

23
途轍もなく面白かった、2017ベストをヒョイっと更新。3カ月のあいだゲームの本ばかり読み続けてきたけど、その全てがこの本に収れんして、この本が新しい出発になりそう。DL系AIとは一線画す人間研究まとめ。①デカルト的「私vs世界」ではなくフッサール的「私in世界」認識②入力と出力の相互作用で成り立つユクスキュル的世界③ライプニッツに端を発する全世界記号化の欲望④デリダ的「私about私…」の無限回廊⑤メルロ=ポンティ的延長身体世界。ゲームAIを参照すると、難しげだった現象学の系譜が超フレッシュに見えてきた!2017/04/06

いわにほ

20
哲学・現象学の学者が〈考える〉側から〈つくる〉側へ。人工知能の研究者が〈つくる〉側から〈考える〉側へ◆別分野の異才がその間の領域について考えた本 ◆私はどちらも理解しておらず、この本を読み始めるのは若干二の足を踏んでいたが、とても読みやすかった◆これらの分野を以前より解像度たかく妄想できるようになったのはとても嬉しい◆人間の内側を探求するサイエンスは、外側の世界のサイエンス〈数学、物理、化学〉と同じくらい大きな広がりがある事を実感できた。◆・・しかし、ちゃんと血肉とするためにはあと何回か再読が必要そうだ。2019/07/26

そんれい

17
ゲームAI開発者である著者が、2015年・2016年に全6回で開催した「人工知能のための哲学塾」を講演録としてまとめたもの。「人工知能は、物理学のような人間から外に向かうデカルト的世界観では間に合わない」 人工知能の研究によって、人間の内面が明らかになるのは面白い。講義録の構成は、概論、フッサールの現象、ユクスキュルと環世界、デカルトと機械論、デリダ・差延・感覚、メルロポンティと知覚論。色々なことに応用出来そうな視点を得られた✨2020/01/04

izw

15
著者はゲームのキャラクターの人工知能を作っている。最初は意外だったが、考えてみると仮想世界で動き回るキャラクターは現実世界の中のロボットと同じ課題があるはずだし、当面周囲の世界の状況を感覚を通して認識する過程をある程度省略できるので、純粋に人工知能の構築に注力できるはずだ。フッサールの現象学を基礎として、デリダ、メルロ・ポンティなど様々な分野の考え方を取り入れて、キャラクターに意識を持たせるための理論を考察している。昨年から6回ワークショップを開催したそうだが、興味深い活動で、今後の発展を期待する。2016/09/24

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