岩波新書<br> マルティン・ルター - ことばに生きた改革者

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岩波新書
マルティン・ルター - ことばに生きた改革者

  • 著者名:徳善義和
  • 価格 ¥792(本体¥720)
  • 岩波書店(2016/09発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
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  • ISBN:9784004313724

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内容説明

ことばの真理を追い求め,聖書を読んで読みぬく.ひとりの若き修道士の飽くなき探究心が,キリスト教の世界を根底から変え,新しい時代の幕をひらいた.マルティン・ルター.宗教改革者.聖書のことばをひたむきに見つめ,ヨーロッパに中世と近代とを画する歴史の転機をもたらした生涯を描く.

目次

目  次

 序章 ことばに生きる
   ことばに生きる/キリスト教はことばの宗教/不安な民衆たち/使命への目覚め
 第1章 ことばとの出会い
  1 父と子
   上昇志向/父の期待/突然の修道院入り
  2 修道士として
   修道院の生活/修行の日々/葛藤
  3 一点突破
   神学研究の道へ/聖書への集中/新設の田舎大学/詩篇講義/神の義とは何か/一点突破へ
 第2章 ことばが動き始める
  1 町と人びと
   ヴィッテンベルク/町の人びと
  2 全面展開
   ローマ書講義/十字架の神学/分かち合いから問いかけへ
  3 九五箇条の提題
   神学討論/ローマ教会への問い/魂の救いのために
 第3章 ことばが前進する
  1 嵐の中で
   アウグスブルク審問/ライプツィヒ討論/破門の大教勅/ウォルムス喚問/ルター、ルターになる
  2 聖書を民衆の言葉に
   騎士ヨルク/パトモスの小島より/エラスムスの『新約聖書』/新約聖書を翻訳する/民衆の口の中をのぞいて
  3 宗教改革とは何か
   力によらず、ことばによって/改革の伝統/宗教改革分布図/再形成化としての宗教改革/さまざまな変革の波/信仰の再形成
 第4章 ことばが広がる
  1 語るルター
   説教運動と文書運動/最初のマスメディア/キリスト者の自由について
  2 歌うルター
   ゆっくりとした改革/賛美歌の始まり/コラールの歌ごえ運動
  3 生活の新しい姿
   変わる学校教育/ルターの結婚/子育てからの気づき
 第5章 ことばを受けとめる
  1 危機と限界
   重なりあう危機/エラスムスとの論争/ドイツ農民戦争/ユダヤ人とルター
  2 聖書を読みつづける
   ライフワークとしての聖書翻訳/聖書の読み方を変える/最後の聖書講義
 終章 ことばに生きた改革者
   キリスト教的一体世界の終焉/祈り、黙想、試練/死の床のかたわらに
   引用・参考文献
   ルター略年譜
   あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

101
言葉を通してキリスト教を改革していったルターの生涯を描く一冊。言葉の重みがないがしろにされている現在の日本の状況を考えると、ルターの生き方に深く共感する。ルターは知識としてのキリスト教ではなく、神の御言葉を生きた人だった。聖書を読み込んで、自分の血肉として生き続けた。聖書を読み込むことで見えてくるのは、十字架の上のイエスの苦しみだ。その苦しみを引き受けて生き抜こうとする人の言葉が、多くの人を動かしたのは自然な流れだろう。祈りを持って聖書を読むというルターの姿勢の意味を、繰り返し考えたい。2018/04/06

mitei

82
ルターって真面目を絵に描いたような人だなぁと思った。そして活版印刷の技術が浸透しているのも時代の流れなんだろうなぁと思った。2013/01/15

夜間飛行

70
落雷を受けて修道士を目指したルターは、厳しい修行の中で徹底的な懐疑を抱いていく。一代で財をなした父親譲りの自律心と不屈の闘志を持つ青年ルターが目に浮かんだ。初め「神の義」を「裁き」や「罰」と考えて行き詰まった彼は、ある日塔の中でそれを神から与えられた「恵み」と解釈し、その最たるものが「キリストの十字架」なのだと考えるに至る。罰を与える神から受難の姿(正しさ)を示す神への転換は衝撃だったろう。それは無謬のローマ・カトリック教会から人間を解放し、本当の正しさとは何かに人々を向き合わせたのではないかと想像する。2015/07/10

Aster

65
ルターと宗教改革とカトリック教会の漠然とした知識が整理された(もちろん完全には理解出来ていないが)。ルターといえば中世の堕落したキリスト教を改革したという世界史の教科書レベルの知識のイメージしか無かったが、実は単なる改革者というよりも敬虔な聖職者であり、誰よりも聖書について考え、信仰について考えた結果が宗教改革に繋がったのだという。もちろん運も必要な時代であったが。晩年には修道士であるにも関わらず結婚しており、聖書の言葉に真摯に向き合い、自分なりの解釈を実行する勇気が彼にはあったのだなと思う。2020/10/15

Koning

44
恐らくは現在日本で第1人者だろうルター研究家によるルター伝。ルーテルの牧師なので神学寄りは仕方ないところか。教会制度への反対というより修道士として聖書に向き合いその態度を貫くという生き様は迫力があるし、実に生き生きと描いている。それでも贔屓の引き倒しになると思いきや晩年の農民一揆の件とユダヤ人への態度(これがまんまとナチに利用されるのだが)もきっちり書いているあたりは流石。2016/05/02

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