内容説明
風土記は古代を知る,何でもありの宝箱.土地のいわれや肥沃状態,古老の言い伝え,天皇の巡行など,バラエティーに富む内容から見える,中央国家と地方との関係とは? ヤマトタケルを天皇として描く常陸国,編纂命令から20年も経て提出された出雲国,滑稽譚満載の播磨国など,いくつかの謎を解き明かし,生き生きとした古代世界像に新たな読みで迫る.
目次
目 次
はじめに
第一章 歴史書としての風土記
1 律令国家をめざして──「日本書」紀
2 「日本書」列伝の痕跡
3 「日本書」志の構想
第二章 現存風土記を概観する
1 常陸国風土記のあらまし
2 出雲国風土記のあらまし
3 播磨国風土記と豊後国・肥前国風土記のあらまし
4 古老相伝旧聞異事について
第三章 常陸国風土記──もう一つの歴史と伝承の宝庫
1 倭武天皇はなぜ存在するか
2 「夜刀の神」をめぐる地方と中央
3 松になった男女
第四章 出雲国風土記──神の国ともう一つの文化圏
1 撰録者としての出雲国造
2 王権としての出雲──国引き詞章と語り部
3 出雲神話にみる日本海文化圏
4 カムムスヒ──出雲国風土記と古事記とをつなぐ
第五章 語り継がれる伝承──播磨国風土記と豊後国・肥前国風土記
1 笑われる神と天皇──播磨国風土記
2 速津媛──豊後国風土記と女性首長
3 遠征するオキナガタラシヒメ──肥前国風土記と日本書紀
4 稲作をめぐる伝承──事実を保証する方法
まとめにかえて
あとがき
参考文献一覧
引用資料一覧
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HMax
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