内容説明
『ふたたびの高校数学』と題された本書の一番のテーマは、
「高校数学とは何だったのか?」という問いに答えを出すことです。
言い換えれば、高校数学を学問として捉え直すことです。だからこそこの本は、
学ぶべき概念を紹介することと定理や公式を導くことに多くの紙面が割かれています。
前提となる知識はほとんどありません。
各単元の内容は最も基本的なところから説明してありますので、どうぞご安心ください。
ブロックをひとつずつ積み上げていくように本書を読み進めていただければ、
「あのとき学んだあの数学はこういう意味だったのか!」
と膝を打ってもらえるだろうと自負しています。
さらに、ほぼ単元ごとに設けたコラムには、高校で学ぶ数学が
歴史の中でどのようにして生まれ、
社会の中でどのように役立っているかを、
また高校数学と大学数学のつながりについても書きました。
教科書的な記述とは別の側面から高校数学を捉えることで、
「立体的な理解」が進むことを期待しています。
目次
第1章 幾何学 ~説得術として発展した数学~
第2章 代数学 ~方程式を解くための数学~
第3章 解析幾何学 ~数と図形の統一~
第4章 数論と数列 ~1、2、3…が一番難しい!?~
第5章 解析学 ~関数と微積分~
第6章 確率と統計 ~偶然を処理するための数学~
第7章 大学への数学 ~線形代数と複素数平面~
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nekozuki
15
主に社会人を読者層として、高校数学を網羅的に復習することを目的として記述された本。高校生向けの参考書だと問題中心となるところ、本書は各テーマにおける重要公式とその証明が内容となっており、「社会人が高校数学を振り返る」という目的に最適。それなりの長編ではあるが、社会における各章の位置づけ(結局何の役に立つのか)といったいった、おそらく誰もが疑問に持つにもかかわず教員は教えてくれなかったことも説明してある。数学的な世界観の振り返りには良書だと思う。2020/01/14
PONSKE
14
本書は、学び直しの本としては少し毛色が違う。大学の学問としての数学を意識した章の構成からもそれが窺える。筆者の言うように、高校の数学は公式の暗記で、「問題を解くこと」に傾倒しがちだ。しかし本来は、「なぜそうなるのか?」ということが大事で、この本では1つひとつの公式に対して証明を載せることで、理屈を示していた。その理屈を身につけるのも反復が必要なのだが。ちなみに、読後にセンター試験の問題をやってみたが、歯が立たなかった。僕はもっと基本のテキストに帰ったほうがよさそうだ。2020/01/05
ちくわ
11
久々に高校数学に触れる。まず行列が消えた事に驚くが、同時にこの30年間授業内容にほぼ変化が無い事実に若干落胆。日教組の影響かは不明だが、時代のニーズに合わせて数理論理学と確率統計を厚くした方が社会に出てから有用では? スマホ全盛時代にメインの講義がガラケーだと学生も興味を抱かないよな…日本の教育は硬直し過ぎ? さて高校数学は一般人にとって数学の最終章であり、微分積分なるラスボスを倒せばクリア。ただクリアしても、達成感はあれど実社会で直接役立つ場面は相当少ない…ある意味では高校数学=ドラクエなのかも(笑)。2024/04/17
あや
4
prime本。内容は受験生の参考書といっても過言ではなく、大人が仕事の合間にさっと読んで理解するには学生時代に苦労しなかったレベルの素養がいると思う。しかし内容はハードながらも基礎にしっかり寄り添っており、各公式の意味や理由・実用性まで言及。公式を暗記しなくても自分で導き出せるレベルまでサポートしてくれている。読んでいるだけでは理解が追いつかないところも多くあったが、こんな内容あったなぁと懐かしくなり、久々にノートの上で数字をこねくり回したくなってきた。2020/01/13
バケツ
3
かなり厚いが、ページはきちんと分野分けされている。辞書や問題集というよりは読み物系の本で、なかなか面白かった。
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