内容説明
時は天保年間の江戸・神田白壁町。おでん屋を営む主人公のこはるは、気になることがあると、首をつっこまずにはいられない性分である。ひょんなことから近所に住む夫婦喧嘩の仲裁をしていたところ、奇妙な事件に巻き込まれてしまうこはる。不思議なことに、借金を返したのは、すでに死んでいた女だというのである。そんなことがあり得るのか? 断片的な材料から、こはるが導き出した謎の答えとは――。表題作のほか、できすぎた女の失踪に隠された真実をあぶりだす「神隠し」、放火未遂に対する証言の違いの謎を解く「嘘吐き弥次郎」など四編を収録。定町廻り同心もお手上げの怪事件の数々に、こはるが挑む“人情&ミステリー”時代小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mr.lupin
49
翔田寛さん、初読み。おでん屋と子守り屋を営むおせっかい好きなこはるが、いろいろな事件を解決?してゆく物語。全体的にほっこりしていてとても読みやすい内容だったが、もう少し派手な展開があっても良かったと思う。それとこはるの子供好きは良くわかったが、自分の子供の話はほとんど触れられていないが何故なんだろう? それと今ひとつ時代小説ぽくっなかったかな。否定的なレビューになったけどとても面白かった作品。☆☆☆☆★2021/05/09
タイ子
40
たまにこういうホッコリ系の推理ものを読むと頭と体がほぐれます。おでん屋と子守屋を営むこはるのおせっかい気性がいろんな事件を解き明かしていく話。ぽっちゃり系のこはるが目指す「痩せ術」って表現が面白い。ダイエットなんて言葉ないものね。痩せたいのに食べたい~、わかる、わかる!なにせ、出てくるおでんの美味しそうなこと。町内のおかみさんたちが鍋を持って買いに来るってナットクだわ。おでんの美味しい季節になりました。(て、作品の感想ないじゃん)2018/11/16
ともとも
21
不可思議で、難解な事件にハラハラさせられながらも、 江戸というか、物語に生きる住人たち(登場人物)のおせっかいでもあり バカ正直でもあり、そして温かくも優しい、心域、人情が 謎が深まる事件をスッキリさせるだけでなく、読み手の心をほっこりさせる。 まるで、ミステリー、時代劇のような安堵感と心地よさを感じさせながらも さらにはおでん屋ということもあって、おでんに季節外れの食欲をそそられてしまう。そんな1冊で良かったです。 2015/04/24
本夜見
11
ほっこり系推理小説。確かにこはるの容姿・人柄は和ませるな〜。しかし どうにも事件の経緯や真相に不条理さを感じてほっこり加減が相殺される感があるような? そして彼女の娘の存在が薄すぎる。母は好奇心旺盛に事件の事でほっつき歩いてんのに 娘にはほとんど触れられてないのも妙な感じ。続きがあるならさなえちゃんにも力を入れてやってくだせえ。2014/03/01
ううち
10
結構凝った謎解きで読み応えありました。こはるちゃんのキャラがいいですね。娘が…いるの?あんまり時代モノ!という感じじゃなかったので、普段時代モノ読まない人は読みやすいかも。おでんの里芋は試してみたいですね。とりあえずコンビニでおでん買ってきた。2014/03/26