新潮文庫<br> くまちゃん

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新潮文庫
くまちゃん

  • 著者名:角田光代【著】
  • 価格 ¥649(本体¥590)
  • 新潮社(2016/09発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101058283

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内容説明

風変わりなくまの絵柄の服に身を包む、芸術家気取りの英之。人生最大級の偶然に賭け、憧れのバンドマンに接近したゆりえ。舞台女優の夢を捨て、有望画家との結婚を狙う希麻子。ぱっとしない毎日が一変しそうな期待に、彼らはさっそく、身近な恋を整理しはじめるが……。ふる/ふられる、でつながる男女の輪に、学生以上・社会人未満の揺れる心を映した共感度抜群の「ふられ」小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

❁かな❁

181
少し前に映画『愛がなんだ』を観てすごく良かったので積んでた作品読みました。登場人物たちがふったり、ふられたりして繋がっていく連作短編集。『愛がなんだ』でも感じた空気感そのままでこんな恋愛してなくても気持ちわかってしまうところもあり、ひりひりした。ふった人が次のお話では恋をして必死になってたり我慢してたり…。同じ人物に思えないくらい違ってたりもする。「くまちゃん」に出てきた苑子が「光の子」に出てきたのも良かった。そのラストで涙が滲んだ。角田さんすごい。ふられ小説だけど恋したくなり清々しい気持ちになれる作品。2019/07/09

yoshida

140
ふってふられる恋愛連作短編集。ふったつもりがふられた痛み。これは途中で諦めた恋愛への私の気持ちだったりする。私もいい大人なので、それなりに恋愛をしてきた。30歳の頃に知り合った女性と、付かず離れずの付き合いをした。何度か会っているうちに、彼女には遠距離の恋人がいると話される。明らかに私の好意が伝わったから話されたと思う。転勤しても、ふっと連絡が来てふらりと会う。都内に出向していた時も、長期研修に来ていた彼女と会う。私に相手がいた時は会わなかった。離婚後に会って終わりにした。胸に残った痛みを思い出す作品集。2020/10/25

ミカママ

118
またまた出会いました。角田さんの書いた、「ページをめくる手がとまらない、それでいて終わって欲しくない」作品。主人公が次々(順繰りに)失恋していく、という、私の大好きなパターンの連作短編集。かくいう私も、もちろん過去に身も千切られるかの失恋を経験しましたが、そんな過去を思い返しながら読了。ラスト「乙女相談室」で、元夫と再会するシーン、胸にぐぐぐっとくるものあり。それでも人って懲りもせずに、また恋に落ちちゃうものなんですよねぇ。うふふふふふ。2014/07/25

mukimi

108
はぁぁなんて痛い痛い読後感。登場人物が毎章振られていく連作短編集。「どうだ。負けっぱなしの恋愛をしたことがあるか。ないだろう。どうだざまあみろ。」というゆりえの言葉がとにかく痛くて痛くて心がひりひりしてでもなぜか気持ちよくてすかーっとして、わーっと走り出したくなった。色々な痛みを知って、以前とは違う場所にいる自分に気付く、そしてまた、新しい1日を迎える。馬鹿みたいに泣いたよね、あの頃の私…。そう思えたら既に前進している。あとがきでは角田さんの恋愛観や仕事観も垣間見えてさらに角田作品を読みたくなった。2020/05/02

みち

81
「ふられ小説」この言葉を見て、恨みつらみがいっぱいあるネガティブなものかと思っていたが、全然違う。失恋して辛い思いはしているのだけれども、それを糧にそれぞれが成長しているのが良かった。ふるほうにもふられるほうにも色々と事情があるんだね。「なりたいものになるには、自分で、目の前の一個一個、自分で選んで、やっつけてかなきゃならない」確かにそう。周りのことを気にしてばかりだと上手くはいかないのだろうな。2015/05/19

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