内容説明
徳川の中期、将軍綱吉の時代。零落した公家の娘染子は侍女として大奥に出仕する。綱吉に見初められてその寵愛を受けるが、大奥に囚われるのを拒んだ染子は、重臣柳沢吉保の側室となり、綱吉の子を生す。二人の男との三つ巴の関係のなかで激しい恋情に身を焦がす染子。絢爛な元禄の歴史を背景に、権謀術数の渦中でも、志に燃え恋に心解き放つ女と男の、強靭な恋愛を描く長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カピバラ
24
うーん、壮絶。綱吉の執念深さに薄ら寒いものを感じた。何より立派だったのは保明の正室だと思った。2015/05/08
鳩羽
12
零落した公家の娘染子は、将軍の後継候補に嫁ぐ姫君の侍女として東に下る。京と幕府の橋渡しの布石として、大奥へと出仕することにり、やがて将軍綱吉の手がついてしまう。懐妊し、大奥のしきたりを破ったとして、染子は外へ出される。そんな染子を狙ういくつもの思惑があるとも知らずに…。後継争いに公家と幕府の思惑も絡み、どろどろとした感情が渦巻く話。染子に執着する綱吉も哀れだが、好いた保明に下賜されても将軍の想いもののままの染子も哀れ。あるがままを受け入れつつ、決断を下す時機の訪れが光彩を放つかのような最後だった。2018/08/05
優希
12
2人の男性の間で揺れる染子の存在が苦しすぎましたね。徳川時代、公家の娘は大奥に入るという風習は好きではないのですが、お世継ぎの為には仕方のないこと。染子も公家に生まれたことから侍女として大奥に出仕しますが、本心は嫌でたまらなかったことが伺えます。次第に大奥を拒み始め、徳川家臣の柳沢吉保の側室になることを選ぶのですが、綱吉の子を身籠っていたのは何という皮肉でしょうか。大奥で吉保と出会ってから惹かれ始める2人。綱吉の寵愛。激しい恋、大名と家臣という関係。権力と愛が渦巻く、女と男の激しい物語だと思います。2014/02/06
あかんべ
5
美人というのが罪だったのか、公家というのが足を引っ張ったのか?どちらが欠けても似たような人生になったような気がする。これは運命で逃げられない恋だったのか2011/09/17
うっちー
4
女性視点の歴史小説は個人的に好きです2015/09/18
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