内容説明
「悪霊のはびこる暗い夜更けに、ムアに、決して足を踏み入れるな」――魔犬の呪いに苛まれたバスカヴィル家当主、その不可解な死。湿地に響きわたる謎の咆哮。怪異に満ちた事件を描いた圧倒的代表作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
南北
59
魔犬伝説に取り憑かれたバスカヴィル家の当主が不可解な死を遂げ、新たに当主となった人物にも魔の手が迫る。荒れ地に謎の吠え声が響く描写が不気味な雰囲気を醸し出している。ホームズが途中物語から退場してワトソンの視点で事件が語られる点も好感が持てたし、傑作と言える作品だと思えた。多数掲載されている当時の挿絵もイメージをつかむのに適していたし、翻訳も読みやすかった。ただ訳者あとがきで作品とコナン・ドイルの家族事情を結びつけようとする解説は毎回同じような話になっていて、牽強付会としか感じられなかったのは残念だ。2022/05/04
ナオフミ
33
現代の推理作品に比べてこの作品はより論理的にありのままに起こったことを淡々と書いてるように見える。そこに現代にはないリアリティと緊張感を感じることができる。現代ではあまり見ない自然が舞台で明かりも少なく恐怖感が文字から感じられました。2022/12/17
hydrangea
22
ホームズ作品の中でも傑作と言えば本作を抜きにしては語れませんね。久しぶりに読んでみましたが、やはり色褪せぬ面白さがあります。相変わらず解説が長いです。色々参考になりますがw2017/04/02
ズー
16
この長編これまで読んだホームズの中でもかなり面白かった!そしてやはり私はこの挿絵たっぷりで、あとがき&注釈がたっぷりの河出文庫版が隅々まで楽しめて好きだ。だがしがし、あまりにもあとがきがシャーロキアン的解釈がもはや哲学的であり、ドイルの精神分析やトラウマなどにも言及しているので、そちらを理解して読む方が頭使う。2024/10/21
うみ
16
月9ドラマシリーズの劇場版「バスカヴィル家の犬」を観て、久々に読んだ大好きなシャーロック・ホームズシリーズの長編。何回も読んでますが、今回は映画の内容と比較しながら味わいました。原作のここを映画ではこう持ってきてたよな~と楽しいので、ドラマシリーズ好きで映画を観た方、原作もとってもおすすめです。2022/07/18