内容説明
学生時代のホームズや探偵初期のエピソードなど、ホームズを知る上で欠かせない物語満載。宿敵モリアーティ教授との対決を描き「最高の出来」と言われた《最後の事件》を含む、必読の第二短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
南北
43
12の短編からなる短編集である。どれもおもしろかったが、「マスグレーヴ家の儀式」はイギリスの地方の名家の様子やホームズの学生時代の一端が垣間見えて興味深く感じた。「最後の事件」でモリアーティ教授との対決が唐突に出てきて、ホームズものとは縁を切りたいというドイルの強い意志が感じられたが、ホームズとモリアーティ教授はジキルとハイドのようにある意味表裏一体のキャラクターなのかもしれないと思った。イラストが当時のものを掲載している点も評価できるし、訳文も読みやすい。2022/04/15
ナオフミ
29
息が詰まってしまった。もっと幸せな結末はなかったのか、他に行動ができなかったのか、最後に残された人の悲しさやそう判断しなければ行けない彼の壮絶な心は文字でしか知らない、でもこの悔しさは100年たった現代でもしっかり伝わることはわかりました。2021/02/05
流之助
25
解説では、やや辻褄が合わない部分があるとされているが、やっぱり「最後の事件」が一番よかった。ドイルがホームズを殺そうとしても、彼は現代まで尚、名探偵として生き続けている!ホームズの死をはっきりと描写していない点も、彼の不思議な魅力を後押ししているのかもしれない。2016/10/04
泉のエクセリオン
18
ホームズものを読むのは今回で四回目なのだが、どれもこれも短編が面白いのでついつい読んでしまう。読むたびに自分にもホームズみたいな観察眼と考え方が身につくのではないかと考えてしまう。あんな風に事件を解決して、初対面の人の前でその人のことを分析出来たらカッコイイだろうな。2021/06/20
たち
18
今まで読んだホームズ全集の中で、一番の傑作集だと思います。学生の頃のホームズ、探偵になりたての初々しいホームズ、ホームズの兄のマイクロフトの事件、そして、宿敵モリアーティ教授との死闘・・・。どれもこれも大変、傑作でした。図書館本ですが、これは購入しようと思います。2016/04/09