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内容説明
数々の名作を生み出した貸本戦記作品群から、初期の4作品を収録。娯楽性を重視しつつも、自身が体験した戦争の記憶を圧倒的な筆力で濃密に織り込んでいく、水木しげる戦記漫画の原点がここに結集!「水木しげる漫画大全集」―半世紀以上にも及ぶ漫画家生活初の集大成。「ゲゲゲの鬼太郎」「悪魔くん」「河童の三平」などの代表作から、貸本時代、風刺、戦記など様々なジャンルに及ぶ水木しげるの漫画作品を、京極夏彦責任監修の元、完全網羅。最新デジタル技術を駆使し最高画質を達成。第1期33巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
厩戸皇子そっくりおじさん・寺
20
表題作と『暁の突入』『空中爆雷』『必勝雷撃隊』の4編の貸本戦記漫画集。私は戦記があまり好きではない。この漫画集も内容よりも絵を眺める方が楽しいくらいなのだが、唯一面白く読んだのは3本目の『空中爆雷』。撃墜王・妙高三郎大尉の物語だが、大尉は半裸で土人達とフラダンスをしながら初登場(笑)。B29ノイローゼの為との事(笑)。その後もふんどし一丁で飛行機に乗り込む奇行もあるが、水木一飛曹(!)の命を救って戦死。水木一飛曹は終戦後日本に帰国。妙高大尉の遺児に出会うのだが、このラストも脱力ものである(笑)。2014/06/20
ぐうぐう
20
貸本漫画誌に掲載された戦記漫画を収録した全集『戦場の誓い』。掲載媒体が貸本漫画誌ということで、娯楽性を感じさせる活劇としての戦争が描かれている。しかし、そこは水木しげるのこと、読み進めていくと、戦争がもたらせる悲劇、悲惨さ、非情が姿を現していく。シンプルなタッチ、大きなコマ割りに不似合いな、その揺るぎない反戦の思想に、ガツンと頭を殴られる衝撃が、ここにはある。2014/05/22
∃.狂茶党
9
軍国教育を受けた水木さんは、戦記物が大好きだったそうで、割とスラスラ娯楽戦記物を描いていたそうです。 娯楽と言っても、結末はいずれも苦く、突然リアルな戦争が姿を見せます。 収集癖のある水木氏はたくさんの写真を集めていたようですが、漫画も多数目を通していたのでしょう。 効果音の使い方がダイナミックで、コマ割りの冒険も取りいれられています。 のちの水木漫画のスタイルと若干毛色が違います、紙芝居の講談調や、映画の影響も大きいのでしょう。 擬音も含めた見事な構図は、躍動感もあり、なんだか不思議と新鮮です。2022/10/23
剛腕伝説
7
水木しげるの戦争物。後の作品とは違い、戦争や日本兵を美化する様な内容のものもあり、少し釈然としない感あり。2024/02/25
teitowoaruku
3
「本当にあった話」と書かれているが、水木(武良)茂が飛行兵になっていたり、南雲中将がミッドウェイで自刃していたりと結構な内容。戦後十数年では、太平洋戦争の全貌はまだまだ明らかになっていなかったということか。2021/06/27