喪失の戦後史―ありえたかもしれない過去と、ありうるかもしれない未来

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喪失の戦後史―ありえたかもしれない過去と、ありうるかもしれない未来

  • 著者名:平川克美【著】
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • 東洋経済新報社(2016/08発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784492062012

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内容説明

平川克美氏の好評セミナー「100分授業」をベースに単行本化。
戦前から戦後の日本人が、何を考え、どう変化してきたのか。
成長の「残影」と消費の「幻影」とは何だったのか。
授業形式で、大衆文化の変遷や、人口構造の変化にともなう家族構造の類型を分析。
100年にわたる時間の帯のなかを鳥瞰し、わたしたちがどういった時代に立ち、これからどこへ向かって歩み出そうとしているのかを考える。
1950年に東京・蒲田の町工場の長男として生まれ、「三丁目の夕日」に象徴される高度成長期から今日までの日本の栄枯盛衰をリアルタイムで見てきた著者による、映画・小説・プロレスなど大衆文化史も交えた体験的戦後史論。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

踊る猫

28
団塊の世代による、真摯な「戦後」の総括。資本主義を支えた世代、バブルを知っている世代だからこその良心的な懺悔とも受け取れる。リベラルの真髄を生きる著者の分析は時に『あしたのジョー』や小津映画に飛び、経済的なトピックを浚いながら政治にも言及され、アカデミズムを歩んだ人には書けないある種の「浅く広く」「縦横無尽」なフットワークを活かした考察となっているように思う。その分ぬるいといえばぬるいが、刺激的で面白いから困りもの。無責任に聴衆を煽らない良質の講義となっており、上手く練られた構成はもっと評価されるべきかと2019/12/02

amanon

3
日本史プロパーではない、工場町蒲田で育ち、長らく会社社長を務めた著者ならではの視点で読み解く日本戦後史が独特のリアリティを放っている。高度成長期を経て、相対的成長期、そしてバブル崩壊…著者が何度か述べている通り、過ぎてしまった今となっては何とでも言えるけれど、リアルタイムでは「どうしてあんなことを…?」と突っ込みたくなることばかりというのが、いわば歴史の常なのかもしれない。だからこそ、甘い弄言や威勢のいい掛け声に惑わされず、過去に何が起こったかを冷静に受け止め、今後にいかすべき。現代を読み解くための一冊。2018/06/27

nizimasu

3
平川さんの本の中では圧倒的に「移行期的混乱」というのが好きで日本の会社社会の変遷を描いているのは藻谷さんの人口減少社会と並んで日本の企業社会や社会構造を分析した本では秀逸だと思った。その表裏一体となすような家庭の変化についても分析しているのがこの本だ。家庭というのは一般的に核家族化というのがキーワードだが平川氏はそのプロセスを家庭の解体という。そういうのは日本の社会構造が戦後になる際に、大きく家族主義から舵を切ったこと。さらには高度経済成長の中でより資本の論理が家族の中ではびこっていったと説く。素晴らしい2016/11/29

Asakura Arata

2
現状維持で縮小しましょうと言っても、余裕のないために不安が強い人には、やはり一発大きくいきましょう、という方が魅力的なのだろうなあ。現実問題、前者の方が良いに決まっているのだが。余裕のない不安な人に、いかに安心してもらうかがポイントだ。2016/09/15

陽之理

2
政治イベントの話ではなく、どういう雰囲気で戦中、戦後の社会が変わってきたのか、に関心があります。2016/10/27

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