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内容説明
「人工光合成」は太陽ネルギーと水を原料にして、水素などの高エネルギー物質を創り出す技術です。温暖化の原因とされる二酸化炭素を抑え、再利用することで、環境にもやさしいエネルギーです。日本人が発明したこの技術こそ、地球のエネルギー問題を救えると世界中から注目されています。2050年の実用化をめざすプロジェクトの全容をわかりやすく解説します。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こーた
39
西洋の創世記によると、光あれ、と神が言ったらそこに光があって、この世界が創造されたわけだが、これもあながち的外れではない。そう思えるほど、太陽から降り注ぐ光のエネルギーは膨大で、この星の生命活動を支えている。エネルギー問題に直面しているいま、ほとんど無尽蔵ともいえるこの太陽光を、もっと活用しない手はない。方法は、自然のなかに潜んでいる。植物がおこなう光合成だ。(続2017/04/09
kaizen@名古屋de朝活読書会
36
#説明歌 光合成天然人工比較して三つの道を指し示している。 (1)生物学(2)色素分子・金属錯体触媒(3)半導体光触媒という3つを体系的に整理して、ブルーバックスとは思えないくらい整理整頓されている。2019/11/07
石油監査人
34
人工光合成とは、水と二酸化炭素を原料に、太陽光をエネルギーに使いながら、燃料(水素)や有機化合物(ギ酸)を合成する技術です。大気中の炭素を固定化して利用するカーボンマイナスの一種で、日本が世界をリードしている分野でもあります。この本では、1)生物学、2)色素分子・金属錯体触媒、3)半導体触媒という、3つのアプローチについて解説しています。特に、金属錯体の複雑な立体構造に息を飲みます。最近も光触媒パネルを使った人工光合成に成功するなど、着実な進歩が見られており、今後も期待してフォローしていきたいと思います。2025/07/21
kmfm
30
誰しも今の地球の状態(二酸化炭素の大量排出による温暖化の危機的状況)をよしとは思っていないでしょう。再生可能エネルギーへの期待も大きいけど、根本的に解決するためにおそらく決定打となるであろう"人工光合成"について、歴史、仕組み、展望が書かれています。実現が2050年って…遅い気がするけど、化石燃料から根本的に変換していくには、国家プロジェクトとしての取り組みが必要であり、すぐにはというわけにはいかないようです。今自動車開発がその縮図みたいになっています。水素が先か、電気が先か、こちらの行方も気になります。2016/10/20
さきん
23
水から水素を取り出すが、その時に光エネルギーが必要。電磁波の波長と触媒に何を使うのか、コストの問題、アンモニアも工業的ではない方法で製造しなくてはいけないなど課題は山積している。日本はこの分野での研究を引っ張っている。2017/12/17