文春新書<br> 70歳! 人と社会の老いの作法

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文春新書
70歳! 人と社会の老いの作法

  • 著者名:五木寛之/釈徹宗
  • 価格 ¥815(本体¥741)
  • 文藝春秋(2016/08発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784166610846

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内容説明

「戦後七十年というのは、新しい民主主義日本がオギャーと誕生してから
七十年経ったということ。つまり、いまの日本は『七十歳』ということなんです」
(五木寛之)

日本という国が、これ以上、高成長をを続けるのは体力的に無理。
これから先は「低成長・高成熟」の時代。では日本が進む先は、
どういった道なのか。その行く先を確認する時期に入っている。
若き日に敗戦を経験し、死を見つめてきた作家と、宗教学者にして、
認知症高齢者のグループホームを運営する僧侶による、老いと死をめぐる対話。

【おもな目次】

<第1章 七十歳になった日本で>
昭和十二年頃と似た雰囲気/現代人の肌感覚時間/祭祀儀礼が時間を延ばす/
老年の古典と青春の古典は違う/健康法も年代によって違う/高齢者のための文化 ほか

<第2章 死生観を持てるか>
「死生観を持て」と迫られる時代/根本は語りの中にある/現代に「つながり」の
場はあるか/様式の力/見えない世界を語る ほか

<第3章 日本人の宗教観はどこから来たか>
日本人にとっての「天国」/神道と仏教/夕焼け小焼けの生命観/死ねば仏/
日本に根づく宗教とは/場の宗教性に優れた日本人 ほか

<第4章 「他死社会」への心がまえ>
嫌老感の正体/維摩経にみる賢老像/若者の貧困と新しい希望/「使用済み」
という問題/「棄老」はタブーか/認知症は怖くない/お寺から始まる ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Cinejazz

17
戦後の日本が70歳を過ぎ、敗戦直後の平壌から引き揚げ「許されざる者として生き延びた悪人」と称する直木賞作家<五木寛之>氏と、認知症高齢者のためのグル-プホ-ム「むつみ庵」を運営する浄土真宗の僧侶で宗教学者の<釈徹宗>氏が、日本人の死生観や信仰心など、「人生80年」の時代に生き惑う現代人へのメッセ-ジを託した対談集。▷日本人は1週間のうちに3つの宗教を実践する。クリスマス、除夜の鐘、初詣▷「死ねば仏」は仏法にない。往生することと成仏することとは全く別物▷使用済み核燃料と人的資源(高齢者)の行方、など。2022/08/02

2ndkt

6
親鸞を描いた小説家と浄土真宗本願寺派僧侶との対談。人はどのように老い、死の準備をしていくべきなのか。日本社会も戦後70年。青年期や壮年期とも異なる成熟し、体力も落ちてきたゆっくりとした時期。社会もまた、高度成長期と異なるあり方を求められている。ブッダも、親鸞も長く生きて死を迎えた。仏教や真宗の教えには、他の宗教と異なり、死を迎える時期に考えたこと、悟ったことが、かなり影響しているのではないかと。人や社会の老いの作法を考えるにあたって、死生感や宗教感の重要性を説く。最後は役割が期待されるお寺へのエールも。2017/02/09

よし

2
付箋でいっぱになった。「老人」問題で一番ためになった。高齢社会で、どういきるべきか、その知恵に納得させられた。彼のエッセイをたくさん読みたくなった。「終わりなき老いの日常が延々と続いていく」「 啄木も藤村も80を過ぎればノスタロジーです」「 情報は意識の領域、物語は無意識の世界に作用」「他界のリアリティーー現実世界に陰影」「団塊の世代は、一番宗教から遠い」「 バリアフリーの家で暮らしても外へ出ると外は段差だらけ」2022/10/25

tecchan

2
 死を見つめてきた作家五木寛之と気鋭の宗教家釈徹宗が、戦後70歳となった日本において、70歳以降の老い、生き方、死生観について語り合う。お寺をソーシャル・キャピタル(社会資本)として活かせというのは、同感。2020/08/17

ほわわん

2
読む前からとても胃が痛くなる本だった。買わないでおこうか読まないでおこうか。それはできなった…。題名が二十代の私にはかけ離れている…。それでも詠むとわけわかんない。必然的に?死が話題になり、死を話題にすると人は動物的な自我とか原始的な欲望を排除しにいくわけだけれど、欲望にまみれている私としては後光が強すぎて苦しい様な。でもその輝きはどれだけ苦痛を通過してるの?と思う。痛みに代価を支払うなら本は安すぎるのかもしれない。シルバー世代の世界…なんて世界は広く限りない2016/10/30

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