内容説明
病に伏せる命の恩人、切腹した父、生き別れた母、縁を切った妹、別れた亭主、憎き敵、いつも優しかった幼馴染……。人にはそれぞれに想いのある料理がある。鰻丼、天ぷら、鉄火巻きから大根飯、しじみ汁、きんつばまで、涙、怒り、笑いを江戸の味にのせて調理された「掌の小説」。『武士の家計簿』『武士の献立』の脚本家が描いた21の超短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kayak-gohan
28
本作を知ったのは私が応援している演劇結社の朗読会で。そのうちの二本が読まれ、見事に泣かされてしまったわけだが、さらに作品世界を知りたくなって読んでみた。しじみ売りの梅太の意地、春乃のたまごかゆのあたたかさとやわらかさ、甚六の怨みを融かす熱い年越し蕎麦。他十九本のいずれからも江戸の人々の息づかいが伝わってくる。食べ物の味わいとは、味そのものだけでなく、温かさや舌触りといった感覚や、いつ誰と食べたかという記憶にまで広がり人生の一部を形づくるのかもしれない。2017/07/15
メルル
22
美味しそうな料理が絡んだたくさんの物語。一編ごとにその物語が生まれるきっかけなどのあとがきがあり、それが興味深くて面白い。もちろん物語も粋だったり、愉快だったり、心に響く物語だったり楽しめた。個人的には涙腺が緩むような物語が良かった。誰にでも思い出の味はある。どのお話も短くてあっという間に読めるような物語でしたが、情緒溢れる素敵な一冊。2016/07/18
たんぽぽ
19
好きなのは、筍ごはん、稲荷寿司、みそ田楽、しぐれ茶漬、大根飯、雪消飯、言問団子…。食の好みじゃありませんよ、さらりと短い短編ながら人の想いの詰まった作品の話。 でも、並べてみたら、みいんな好物じゃないの(笑)2016/09/05
ううち
14
表紙のお茶漬けが美味しそうだったので購入。時代ものの短編集でした。どれも美味しそうな食べ物が題材になっていて、ウルッとなるお話が多かったです。間に挟まれたウンチクなどの解説も楽しく、それぞれのお話がきっちりまとまっていて読みやすい。脚本家の方だからかな?登録数が少ないのが意外!2016/08/24
ふみえ
9
ウルウルくるお話とお料理がてんこ盛り。ただ、もう2〜3ページ長くして、連作だったらなお良し。歳だから次のお話に頭を切り替えるのが大変だった。2016/08/03




