内容説明
「おしん」「渡鬼」など人気テレビドラマの脚本家は91歳、一人暮らしだ。葬儀なし、友なし、子なし、さまざまな因縁を絶つ「後悔なし」の終活宣言である。女学校時代の恋、役者もし、松竹第一号の女性脚本家など波乱の人生も振り返る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねこ
90
「おしん」、「渡る世間は鬼ばかり」などを書いた脚本家の橋田壽賀子さんが91歳に書いたエッセイ。友なし、親なし、夫なし、子なし、後悔なし、となし尽くしで実に清々しい。但し90歳を過ぎても好奇心旺盛。飛鳥IIに乗って世界旅行に行ったりおおいに楽しんでいらっしゃる。(かなり高額な趣味ではありますが)本人もおっしゃっていますが幸せの価値は人それぞれ。自分が幸せだと思える老後を私たちも過ごしたいものです。…橋田壽賀子さんは既に永眠されましたが、2025年に向けてAI橋田壽賀子が「渡鬼」を執筆中とのことです。マジか!2024/09/18
ごへいもち
18
家事はお手伝いさん任せ。住んでいるマンションの中に専属トレーナーのいるスポーツクラブ。毎年「飛鳥」で世界旅行。いいなぁ2017/07/01
小豆姫
12
人生最後の旅支度。友なし親なし夫なし子なし… っと『なし尽くし』の暮らしのなんと綺麗さっぱり潔いことか。恵まれてる境遇に羨ましさも感じるけど、懸命に仕事に打ち込んできた証でもあるのだ。天晴れなり。2021/05/07
FK
5
TVドラマ[ハルとナツ]の脚本家ということで。それ以外はあまりご縁がなく、今回は高齢になられた著者のエッセイに興味が惹かれて。一つ意外だったのは、もっと保守的な方かと思っていたら、そうではなかったということ。要するに第二次世界大戦でもし日本が敗北していなければ、今頃はまだ大日本帝国が続いており、貴族階級があり、軍人が跋扈していただろう、と。だからこれで良かったのだと。/かつての時代を考えると、改めて掛け替えのない貴重な時を生きているのだと思えるのです。(P.232) 2017/06/27
Humbaba
5
例え愛情から出た行動であっても、それがそのまま相手に伝わる保証はない。純粋な気持ちであっても表現方法が悪ければ、寧ろ相手を苛立たせる結果に終わってしまう。余裕があればそれでも和解できる道も選べるが、幼いころであればそのような余裕を持てる人は殆ど無い。2016/10/24