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内容説明
どんなに報道されても「オレオレ詐欺」は後をたたず、 マインドコントロールが犯罪につながる事件が起こり、手品にも繰り返しだまされる。これらはすべて、あなたの脳があなた自身を裏切るからである。「ベクション」という視覚による錯覚現象を入口に、心理学者である著者が、この仕組みを楽しく解説する。知覚心理学、行動経済学、脳科学の最新研究もわかる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミエル
24
脳は視覚に騙される。ベクション現象、アンカリング、心理的マインドコントロール等々心理学の中でも身近なジャンルの入門編。とても読みやすいので、蘊蓄がてら読むのも一孝、ここから心理学を学ぶのも一孝ではないかと。どちらかと言えば、世の中を快適に生きる処世術だろうな。とりあえず、頷きながら本書を読むとより理解が深まるよね、って事で。2019/05/28
kumako
15
私の行動を決めているのは脳(心)ではなく外から受ける刺激なのかあ…。という事は、無理してでも良い環境に自分を置くようにする方がいいのか?とは言え、著者は努力によって少しは自分の状況を向上させる事も出来るので努力が無駄であるとは言わない所に好感が持てる。うなずきの説得法、早速今日の憂鬱な会議に使ってみる。毎日顔を合わす事で好感がアップする法則、私が推しを推し続けるのは私が選択している訳ではないというのか…なら、なぜ旦那には効果が…(以下省略)2021/06/25
あっきー
15
✴3 進化の歴史の中で人間は生存競争ではより有利に情報を操るためにエピソード記憶を持つ必要がある、そのために自分の意思という主軸を作り、自分の意思で行動を制御している錯覚が生まれた、その錯覚は実は行動の準備をしている脳活動の後からついてくるにすぎず、脳はすでに無意識の力で環境の変化に遅れないように行動を取捨選択してしまっていた、人間には自由意思がなく行動は環境に決定されているとはトンデモない反法治社会的考え方であり自分的には大好物だが、このテーマは本の前半部分だけだった、後半は小ネタ集だったのでチト残念だ2019/06/16
Humbaba
11
自分自身の気持ちであっても、それをすべてコントロール出来ているというわけではない。様々な刺激によって無意識のうちに影響を受け続けている。そのことを知っていたとしても影響から脱せられるとは言えないが、それでも知っていれば準備をして置くことは可能である。2016/10/01
ATS
9
★★★知覚心理学とは「人間の五感、視覚、味覚、聴覚、嗅覚、触覚について人間の特性を精緻に研究する学問」(P15)。その知覚心理学の知見を広く紹介しておりまさに入門にふさわしい内容になっている。とくに難解な用語が頻出することもなくイラストや写真なども多用されており門外漢でも可読性は高いと思われる。ヤージュニャヴァルキヤの哲学の理解を深めることができたり、クオリアについて概要や自由意志の有無などについて知ることができたのがよかった。とある実験では鳩よりも人間は賢くないというのが示唆されたのは驚愕であった。2019/02/24