内容説明
「いのちの核はコトバでないものに支えられながら、ヒトの生はコトバによって支配されている」。著者は臨床の現場で、長くこの矛盾を乗り越えることをみずからのテーマとしてきた。コトバを治療の道具とする精神分析の治療の場で、文字言語を絶対的なものとせず、治療者と患者との間の時々刻々の関係性の変化に目をこらすことで、著者は治療の場に立ち上がってくるいのちの営みを掬い上げる。そうすることで、精神分析用語として知られるコトバの真に意味するところ、治療の本質を説いてゆく。精神分析の世界への導きに始まり、先達の教え(=理論)の咀嚼、さらには独自の技法と修練の方法を紹介するなど、半世紀以上にわたる臨床の集大成ともいえる著者、畢生の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
袖崎いたる
12
精神分析だけじゃなくても学問のビッグネームやその理論および概念を用いて自説を付会するのは定番。それが衒いを含まないものだとしても、読む気を起こさせるフックとしてそうしたビッグネームは機能するのだから。で、本書はそのような衒いを必要とせずとも自説を披瀝しえるようなネームヴァリューを得た著者の精神分析ノート。ラカンが患者に分析家への見限りを理論的に求めたのと同じく、著者は「終わりなく続く精神分析」という言葉で生活への態度を培うことを/培わせることを導いてる。彼の用いるフラクタルの概念と言語ゲームはよく馴染む。2017/01/02
Hidekazu Asai
2
天才的な精神科医が書いた精神分析についての発展的理論。 巻末ページの愛着障害の治療メソッドを読むだけでも必読の価値が充分にあります。 2018/06/08
Rachel1234go
1
臨床家の姿勢を探る一冊。 タイトルが臨床家というのがポイント。臨床家は、柔軟でかたちにとらわれることなく、ただ効果のあるもの、治療的なものを探す。故に汎用性はないものだなと感じる。2018/03/04
よしりん
0
「心身養生のコツ」のp25-372019/08/31
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