内容説明
軍事記者は見た!「普天間移設」の深層。このままでは沖縄に血が流れる! 日米両政府の普天間基地返還合意からすでに20年あまり。この間、基地担当あるいは基地問題担当と呼ばれる在沖メディアの軍事記者は、この問題をどのように報じてきたのか。また、政府が言う「抑止力の維持」や「辺野古移設が唯一の解決策」は本当なのか。「沖縄の経済は基地がなければ成り立たない」「見返りに財政的な支援を受けている」といった風説は本当なのか。かつての保守勢力や経済界が一体となった「オール沖縄」の実態など、沖縄取材歴20年のルポライターが本土メディアが伝えない沖縄の現況をリポートする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
37
ローカルなニュースって、現地で見聞きしないとリアルにならないことは、経験的に充分納得できる。沖縄の基地問題は決してローカルな問題ではないのだが、沖縄県民の方以外にとっては残念ながら前記のような経験則に当てはまってしまっているのかも知れない。そんな弊害をクリアーするための第一歩としては好適な書。不知なことが多数。ことに沖縄の基地の集中問題について、中央政府の官僚や政治家の皆さんの頑迷・無責任・事なかれ主義が第一の障壁となっているように見えるのが印象的。 2024/04/03
かばお
8
『集団的自衛権』を読んだのと、沖縄の基地関連収入は全体の約5%とテレビで言っていたのを思い出して手に取った。ずいぶんときな臭い話ばかりだった。もはや何が正しいのかわからなくなる。安全保障上、辺野古を欲しがっているのはアメリカだと思っていたけど、実は官僚のメンツのためだという指摘には大胆さを感じた。本土の方でも基地を作ればいいとはならない、何故なら自分も含めて近所に基地があってほしくないから。政治家も票取れなくなるから誘致なぞ論外。でもいい加減、沖縄以外も考える必要があるのだろう。2017/02/28
二人娘の父
7
『沖縄を売った男』と合わせ鏡のようにして読むと、普天間返還・辺野古移設のたどった混乱と混沌、喧噪に触れることができると思う。こちらは県内移設反対の視点から、本土メディアの怠慢を批判する。推進派、反対派の双方から見ても、民主党政権の揺らぎと裏切り、不誠実さは群を抜いているのがよく分かる。私は一面的に民主党政権時代を「悪夢」とは評価しないが、ただ一点。沖縄への対応だけは認められないし、許せない。大きくて治りにくい傷をつけたことを、旧民主党の関係者は反省すべきだ。2022/06/13
Hiroki Nishizumi
6
読み進むほどに悲しい。日本人であること内地人であることが情けなくなる。大浦湾を米軍は占領中から目を付けていたことは初めて知った。そして口にはしないが沖縄は「力ずくで押せば屈する」と考える人間の実に多いことよ。最近の政府高官政権中枢の無神経な発言は今にはじまったことじゃないと分かっていても劣化する一方の現実にガッカリ感が強まるばかりだ。このままじゃ沖縄にもヤマトにも良くない。2015/10/20
吉田よしこ
3
★★★★★本土側からの「不都合な真実」本は幾つも有るけれど、これはそれに対するアンサーですね。誤植が目立つので要注意ですが。沖縄を責める方々は、「基地は日本の為に必要」・「基地のお蔭で金を貰ってる」と言う。ならば何故、それほど大切な基地を「自分の町に作ってくれ」と言わないのか。まずそれに答えて欲しい。結局のところ、日本の為と言いつつ自分の都合しか考えていないんだろう。私個人は、残念ながら日本に米軍は必要と考えていますが、我が町に受け入れる覚悟も持ってます。沖縄でなければならない理由など無い。2015/11/28
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