内容説明
途方もなく、彼女のことが好きだった。 宮崎菫(みやざきすみれ)は一日に10文字しかしゃべれない。それ以上は声にならないのだ。スケッチブックで会話をする彼女は教室で浮いた存在だった。けれど不器用でも懸命に対話しようとする姿と、誰よりも純粋な心に、俺は惹かれていった。 図書館で勉強を教えてくれた時、横顔が気になって勉強どころじゃなかった。プールで見た水着が可愛すぎて、息が止まるかと思った。初めてケンカをして、初めて仲直りのキスをした――。 「ありがとう」も、「ごめんなさい」も、「嬉しい」も、「大好き」も。大切なことは10文字でみんな伝えられるって、そう思ってた。 でも、菫が背負う過去の痛みも、菫の隣にいることの意味も、俺はわかっていなかったんだ――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
54
1日に10文字しか喋れない少女と遅刻常習犯の少年の青春恋愛物語。これは恥ずかしいくらいにストレートな純愛物語ですなぁ。少年と少女が出会い、交流を続けていく中で距離が縮まり、やがて想いが通じ合うようになる。ここまでの過程も良かったけど、一番の見所はそこからの展開ですね。心が未熟な青春時代の恋愛だからこそ、起きてしまう些細なすれ違いは辛いものがあったけど、本当の気持ちに気づくことが出来た二度目の告白はとても美しく綺麗で、胸にグッときました。こういう作品も書けるとか意外でした。次回作も期待してます。2016/07/24
よっち
51
無気力で学校をサボりがちな高校生・島崎蒼が雨よけに寄った公園で、理由があって声が出ない同級生・宮崎菫と出会い、スケッチブックで会話をする彼女と交流を深めてゆく青春小説。菫と出会ったことで変わってゆく蒼と、彼と密かに公園で出会いを重ねてゆくことで本来の明るさを取り戻し、蒼やその親友二人と楽しい日々を過ごすようになった菫に訪れた重要な転機。些細なことからすれ違ってゆく二人の姿はとても辛かったですが、それでも大切な存在だと改めて痛感し、きちんと想いを交わし合った二人の今後を応援したくなるとても素敵な物語でした。2016/07/22
ナカショー
40
幼少期の事故により1日10文字しか喋れない少女と学校をサボりがちな主人公による甘く切ない青春物語。1日10文字しか喋れない分、その10文字にこめられる意味合いはとてつもなく濃い。ただ、多少10文字超えてない事も無いような所もあったけどそれでも素晴らしかったです。因みに自分は春は好きじゃないです。花粉症が辛くて辛くて・・・・・・。2016/09/03
まるぼろ
34
普段から面倒くさがりで遅刻が多く、高校2年になって初めて学校をサボってしまった島崎蒼は、散歩の途中に雨宿りに立ち寄った公園で、同じく下校中に雨宿りをしていたクラスメイトの宮崎菫に出会うが…と言う所から始まるお話です。普通に恋愛小説として読めてとても良かったです。余り失語症とかは気にもせずに友達から恋人同士にまでなった蒼と菫が、教頭先生が何気なく蒼に言ってしまった一言でぎこちなく、やがて破綻を迎えて、それでも…と言う所からのエピローグはとても良かったな、と思えました。次回作もまた期待したいと思います。2016/08/21
シータ
27
全体的には綺麗にまとまっていて悪くはなかったです。まぁよくある青春モノでした。キャラもちゃんと立っててよかった。ただ10文字設定があまり活かされてなかったのが残念だったかな。決して悪くはないが佳作感が否めない作品。2017/07/28
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